本書では、いわゆる超能力者3人に密着し、彼らの異能者としての半生を描いています。同時に本書は、超能力という不思議な存在を、安易に否定も肯定もせず、「いったいこれをどうとらえればいいんだ?」という絶えざる逡巡の中にいる著者自身の心のドキュメントともなっており、二重に興味深いものです。著者は実際にじかにスプーン曲げの瞬間を目撃しているらしいが、いわゆる既存の科学的常識から考えてそんなはずはない、との思いは消えない。だが、よくいる超能力否定派のように、超能力(者)を科学的見地から「ありえない」と端から決め付ける横暴さには決して与しない。こうしたフェアで誠実な態度にとても好感が持てます。現象に対する謙虚な姿勢を「科学的態度」とするなら、大槻教授ではなく、この著者こそ科学的であると思います。