内線や紛争が終わると、その国や地域は平和になるように思いがちだけれど、実際はそう簡単ではない。まず兵士や民兵の武装解除をしなければならない。武器を取り上げないと、何かあったときにまた武器を使ってしまうかもしれないからだ。だが、武器を取り上げただけでは、兵士は仕事を失うだけである。そこで、職業訓練などによって自立を支援する必要がある。一方で、被害者側は武装解除の必要がないために、かえって自立支援が行われにくく、家も職も失ったままとなってしまう。民族対立の場合は、内乱が終わっても、すぐに対立がなくなるわけではない。互いに手を携えるきっかけが必要だ。
こうした紛争地域での平和の基礎をつくっているのが、著者の瀬谷ルミ子さんだ。瀬谷さんは、武装解除とその後の自立支援のパイオニアであり、「世界から尊敬される日本人25人(日本版ニューズウィーク)」に選ばれた。納得である。その原動力は何なのかはわからないけれど、こんな生き方をしてみたいと思わせる。せめて寄付でもして貢献しようか。
内容は、きわめて深刻なものなのだが、明るく、テンポの良い文章で、暗さはなく、一気に読める。こういう活動があることを知ってよかった。