つい最近の2012年3月15日、厚生労働省により、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言取りまとめ」が公表され、パワハラの定義が定められました。
この10年で、職場のパワハラの申立件数は、実に6倍にも上っており、パワハラが大きな社会的問題となっていることを受けての措置と言えます。
本書は、厚生労働省の提言以前に出版された本ですが、日本に先がけて職場いじめ("mobbing","bullying","moral harassment")が問題とされていた、欧米諸国の研究事例を挙げつつ、パワハラとはどのような行為か、また、パワハラの現状はどのようなものか、パワハラ被害者のメンタルヘルス悪化のサイン、パラハラ加害者の典型的な特徴、パワハラの起こりやすい環境、パワハラ未然防止の方法、外部機関の活用によるパワハラ解決法といった、幅広い内容を取り扱っている良書です。部下を持つ指導員相当職以上に限らず、会社勤めをする人間なら、一度は読まれることをオススメします。
なお、心理学的には、パワハラ加害者の典型的な気質と、自己愛性人格障害の特性との一致とが、良く指摘されますが、本書は心理学的なアプローチはそれほど深くおこなっておらず、そこまでは掘り下げていません。
ていうか、私が勤務していた某総合電機メーカにいた、極度のパワハラ体質の指導員社員が、下記の加害者タイプ全てに当てはまりまくって、笑えないんですが。
「1.支配性が強く、人を思い通りに動かさないと気が済まないタイプ」
「2.相手への共感性が欠如し、自己愛を満足させるために加害行為を繰り返すタイプ」
「3.自信がなく脆弱な自分を守るために、部下を攻撃するタイプ」
あの職場環境が今後どうなっていくかとか、正直もうどうでもいいですが、多分あのクソ野郎は、転職者でも新入社員でも、下に付いた人間をハラスメントし続けるんだろうな。
自己愛性人格障害って、治療が極めて難しいし(20年くらいかかるらしい)、そもそも本人が精神科を受診しないからなぁ。