職務質問を専門とする警察官の回顧録。
警察OBの本は何冊か読んだが、その文章には独特の癖がある。これは佐々淳行も含まれるが、この本もその例外とはならなかった。
しかもこの人は歌舞伎町でしたたかに生きる人を、軽く見下しているのではないか。「犯罪者はこういうものだ」という思い込みが文章を平板なものにしている。だから、職務質問で吐かせれば犯罪は防げると思っているのだ。
それは違うだろ、と思う。
それにこの本には変な記述がある。
「ロマンポルノ」とか「ジョニ黒」とか「酒に目薬を入れる」とか。これが現場主義というなら、聞いて呆れる。
「覚せい剤常習者は輸入たばこのパーラメントを吸っている」というのも強烈。本当だったらスゴイが、いくら何でもこれはない。誰か止める人はいなかったんだろうか。
最後のほうで捜査では「勝手な解釈や偏見を捨てる」と述べているが、実は著者の「勝手な解釈や偏見」がたまたま成功した例が羅列されているだけだ。薬物犯罪で正常な判断力を失った相手にはそれでいいのかも知れないが、知能犯には無力だろうね。