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蕎麦店「助六」は、商店街の一角にあった。
気取ることのない、昔からよくある店構えだった。
店に入る。
店内は、きれいに手入れされていて、清潔感がある。
ぼくの期待は膨らんだ。
蕎麦と天ぷらを頼む。
まず、薬味が運ばれてきた。
器は金つぎされている。
大切にされているんですね、1枚の器を。
ぼくの期待は、ますます膨らんだ。
蕎麦を食す。
丁寧な味で品があった。
うまい。
店主の人柄がストレートに現れている、期待以上の蕎麦だった。
本書の著者である宮下氏はいう。
「料理はセンスであると単純に思っていた時期もあったが、四十を過ぎた頃から料理は人であるとつくづく思うようになった。食は人間にとってもっともプリミティブな行為である。それは命を授けるものだ。常に光の中にあらねばならないものだ。真に優れた料理は真に優れた人間にしか作れない。そう信じている。」
本書には多くの優れた料理人が紹介されている。
「助六」の店主と同じような方々だろう。
ただ、本書では「助六」の店主は紹介されていない。
本書は、正統派レストランガイドブックである。
本書を片手に食べ歩きに行きたいなあ。
ページをめくる度にそう思う。
また、行きたいなあ。
本書を見ると「助六」の蕎麦が想い出される。
よし。
本書を見ると、力が入る。
この本を「どこどこの料理がおいしい」といった類の... 続きを読む
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