本書で述べる技術士二次試験の一発合格のノウハウは、実はすべての技術部門において共通なもの、普遍的なものである。
技術部門の相違というのは、単にそれぞれが保有する知識のジャンルが異なるだけであり、その知識を駆使して課題を解決するプロセスについては、まったく同じなのである。同じ技術士なのだから、そうでなければおかしい。
そのようなことから、本書ではそれぞれの技術部門として保有すべき専門知識そのものについては、収録の対象としていない。
ただ、本書では、この専門知識の習得について、きわめて効率的に習得する手法をあなたにお伝えしようと思う。
本書は、あなたが、あなた自身のために必要な努力をすることを前提に、どんなレベルの人でもなんとか合格率が60%に達するように、無駄な努力を排除することを第一に考え、作成したものである。
ぜひあなたも、本書をもとに「根拠のない自信」を抱き、「効率的な学習」を行って、勝算をきちんと確保しながら、悠々と技術士試験に合格しよう。
あなたにとって技術士試験とは......?
あなたは、きっと民間企業や役所、各種団体などにおいて工学を専門分野として働いている一技術者なのだろう。かつては高校もしくは専門学校、大学や大学院で理工系学科の学業を修め、いまの技術職に就いているのだろう。
そんなあなたの子供の頃は、きっと国語より算数、社会より理科が好きだったことだろう。
もしそうだとしたら、今のあなたは、"文章を書く"という行為を苦手だと感じてはいないだろうか。
もしそうだとしたら残念なのだが、後述するとおり、この技術士の試験は一級建築士試験などとは異なり、"論述"が大きなポイントなのだ。
冒頭に述べたとおり、本書の著者である私は、元々、文系の出身である。
数学大嫌い、国語まあまあ、社会科大好き、理科なんて興味ない、という、おそらくあなたとは対極にいるような子供だった。
中学高校の頃は、国語の教科書に出てくる文学作品に思わず心打たれ、授業そっちのけで読み耽ってしまうような、そんな典型的文系人間だったのだ。
しかも、その属性は、悲しいことに未だに抜け切っていない。
もっとも、コンサルタントを生業にすると、業務上、実験などの各種データを用いて数理的な解析を要求されることもある。
文系人間だから、報告書の作成などといった文章を紡ぐような作業は「得意!」とは言わないものの「嫌い」ではないが、こと数理的根拠をもとにして考察を加えるような作業に至っては、恥ずかしい話、数字や方程式などが続出するという面で、めっぽう弱いというのが正直なところである。
はっきり言って、向き不向きで言えば、このような工学的技術を売りにする職業は、私には向いていなかったかな......と感じている。
あなたはきっと、そんな私のような深刻な状態にはないだろう。おそらく、現在の技術を売り物にする職業に対し、それほどの違和感はないことだろう。
しかし、"文章を紡ぐ"ということについて考えてみると、どうだろうか。
私のような変わり者が比較的得手としているのに対し、あなたも含めた多くの技術者は、理系出身ということもあって比較的不得手と思い込んではいないだろうか。
あなたは学生時代に卒業論文というものを経験しているかもしれないが、理工学系の場合、あくまでも研究成果の内容や論拠となるデータの客観性などといったものについて正確であることが求められ、その研究の意義やデータの客観性なりをいかにわかりやすく表現するかということについて、十分な時間を割いて考えたことは、あまりなかったであろう。
そんなあなたが、論述が大きなポイントとなる技術士試験にこれから挑もうとしているのだ。
「筆記試験の論文問題って、結構ハードル高そう......」
「体験論文なんて書くほどの立派な業務体験してないし......」
「文章もあまりうまくないし、良い論文を書く自信なんてぜんぜんない......」
などと、思い込んではいないだろうか。
繰り返すとおり、先に可能性を狭めてしまうこのような思考は禁物だ。
......もっとも、あなたの不安も、わからないではない。
たしかに、私がこれまでに依頼されて添削した技術的体験論文を振り返ってみると、論旨が明快で自分の考えを相手に訴えるような迫力のあるものは少なく、むしろ、上出来であっても、淡々と事実関係だけを並べ続ける、いわゆる「業務報告」にとどまっている程度のものが多いような気がする。
中には、技術体験以前に、作文として驚くほどレベルが低いものもある。
技術士二次試験の技術的体験論文について合格論文かどうかという観点から評価すると、あまりにも物足りない事例が多いような気がする。
もしかしたらあなたにも当てはまってしまうのかもしれない......。
しかし、心配することはない。まったく心配することはない。
なぜなら、「君には技術者として適性が感じられない」と上司から烙印を押されるような私が、ある方法を実践することによって、技術系資格試験をすべて一発で合格してきたのだから。
私は、あなたに、本書と講義CDを通じて、度重なる試行錯誤と幾多の挫折の上に創り上げた技術士二次試験の論文対策のツボをお伝えしたい。
あなたは、私が示すノウハウを実践することによって、技術士合格への道を短期間に突き進んでいくことができるだろう。
一発合格の手段をお伝えするのだから、あなたは次の技術士試験において、合格という果実を確実に手に入れなくてはならない。
なぜなら、技術士試験はあなたの成功のための一つのステップに過ぎないからである。
では、そもそもあなたは、何のために技術士の資格を取得しようとしているのだろうか?
みんなが取るから、あなたも何となく取るのだろうか。
技術士の資格をとって、今までと同様、いや、今までよりもなお一層、業務に忙殺されるだけの毎日を送りたいのだろうか。
上司や顧客の顔色を伺いながら、辛い思いをして膨大な業務をこなす毎日......それが果たして目的なのだろうか。望んでいる姿なのだろうか。
そのような努力があなたにシアワセをもたらすのだろうか。
あなたが「技術マニア」や「技術屋」と呼ばれるような人なのであれば、そのようなことが目的になるかもしれない。自らが楽しいと感じることによって忙殺されているのだから、一応、シアワセなのである。
しかし、あなたはどうなのか?
あなたは、そのような単なる「技術マニア」や「技術屋」で終わる人生を送って、果たしてシアワセになれるのか??
これを機に、一度真剣に自分自身に問いかけてみてほしい。
他ならないあなたの人生なのだから。
あなたは組織のコマとして、組織が繰り出す方針や命令に唯々諾々と従い続け、家族とわが身を犠牲にして組織の都合を最優先にするような生涯を歩むのだろうか。
それとも、組織の常識に依存せず、あなた自身の価値基準をもとに能動的な判断を繰り返していくような人生を送ることを選択するのだろうか。
私は、前者のような人生を否定しないし、無意識のうちにそのような判断をしている人が大多数であることも、事実であろう。
しかし、大事なことは、「いったい、自分はどう生きたいんだ??」というQuestionを、人生も半ばに差し掛かりつつある自分に対して改めて投げつけるだけの勇気があるかどうか、なのである。
成功する人生を歩むか否かは、すべてこれにかかっているのだ。このQuestionのない人に成功は決して訪れないと思ってよい。
むろん、あなたにとっての成功とは、あなた自身がシアワセな人生を送ることに他ならない。シアワセをもたらさない出世や財産は、何ら成功の尺度となり得ないのである。
あなたは、きっと、今後の自分の歩む道を真剣に考えてくれることだろう。
そんなあなただからこそ、技術士試験などという、こんなつまらないモノで躓いていてはいけないのである。
技術士試験などというものは、所詮、自動車の運転免許と同じなのである。
技術士試験に合格する、などということは、あなたの人生の中で単なる通過点の一つに過ぎないのである。むしろ、あなたの本当の勝負は、そこから先にあるのだ。
前置きが長くなったが、あなたが本書で一発合格のノウハウを知り、それを実践すれば、技術士試験において無駄な時間を浪費することも、躓いたまま立ち直れなくなることもない。
それだけではなく、これから能動的な生き方を実践していくために有効なコミュニケーション能力を身につけることもできる。
あなたには、是非、単なる技術者ではなく、組織の中で自立した一ビジネスマンであるという自覚のもとで、この技術士試験の勉強プロセスを辿っていってほしいと願う。
さあ、あなたも本当の成功のため、技術士試験合格に向けて、一歩目を踏み出そう。
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