登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
豪華な収録、表題作のほか三篇,
By
レビュー対象商品: 聞書抄 (中公文庫) (文庫)
しかし谷崎潤一郎の歴史小説はなんと豊麗なのだろう。一見淡々と語られ、それでいてわずかな冗漫もない、この作者の腕前は、言うも愚か、凄まじいものがある。 「聞書抄」は、関ヶ原で敗戦の憂目にあった石田三成の娘と乳母が、或る盲目の法師に三成の晒し首の前で出会い、彼が往時を懐述するという形。 太閤秀吉の世のきらびやかな様子から、殺生関白の残虐な行状、三成と家康の相克…と話は展開していく。 谷崎作品には欠かせない、美しい女性も雅に描かれ、菅楯彦の挿画も文章にマッチしていて美しい。 「三人法師」「紀伊国狐憑漆掻語」「覚海上人天狗になる事」三篇はそれぞれ短編。 併録という形だが、中でも、「紀伊国狐憑漆掻語」は谷崎文学のみならず日本文学の大傑作の一つだと思う。
4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
時代小説,
By
レビュー対象商品: 聞書抄 (中公文庫) (文庫)
関西への移住以降の作品の中で、一応昭和を舞台とした作品をいくつか読んで見ましたが、ちょっとこの「起承転結というストーリイのない世界」にも疲れたようです。というわけで、もうひとつの彼の得意のジャンルでもある歴史小説(もっとも紀伊国狐....は時代小説ではありませんが)に眼を向けてみました。「間書妙」は立派な長編です。ここでは秀次と三成をめぐる因果応報と盲目を自発的に選択するという行為を通しての不思議な愛情表現が取り上げられています。もっとも後者が前面に出てくることはありません。語りは、不思議な因縁で邂逅することになった三成の娘、その乳母と盲目の法師との間で繰り広げられます。文体は現代文と古文が混合する形ですが、これには慣れが必要かもしれません。「三人法師」は短編ながら、3人の出家僧の告白という形式を通して、人間の不思議な運命の関わりとすべてのむなしさが描かれます。「悪は善の裏なのです」という真理が最後に提示されますが、と同時に出家すること(俗世での人間関係の断絶)の悲しさが三者三様の告白を通じて示されます。どの短編もたっぷり余韻を残す形で終わっているのは谷崎ならではでしょうか?
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
|
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|