この本では、コミュニケーションの基本は「話す」ことではなくむしろ「聞く」ことである、そしてその「聞く」ことの基本として、相手に対する思いやりを基礎にした「共感」をすることが大切だ、ということが書かれています。
この本では、一般的に受動的行為と考えられやすい「聞く」ことについて、それを能動的行為と捉え、どのようにしたら共感を持って「聞く」ことを能動的行為として日々の生活の中で実践することができるかについて、その方法までもがスキル(作法)として一歩踏み込んで書かれており、より滑らかな人間関係を構築するための一つの基礎を学べる入門書として、大変有用であったと思います。
話すことに苦手意識を持つ人は少なくないと思いますが、話し下手であっても、もっと能動的に聞くことから始めれば、よりよい人間関係を築くことが出来ると説くこの本の内容は、話し下手で悩む人にまでコミュニケーションの解決策を提示しており、その点で他の類書とはひと味違う本だと思いました。
何かと自己主張が目立つ昨今の現代社会の中で、まずは一歩引いて「聞く」ことから入ることで、よりよいコミュニケーションが出来、それが相手の為のみならず自分の為にもなる、という気づきを得られたことが、私には一番大きな学びでした。
能動的に「聞く」ということが、より円滑なコミュニケーションを実現することに繋がるのだという著者の思いに共感できたので、早速、明日からの日常生活で実践してみたいと思います。
人間関係に悩む方、もっと他人との心の交わりを大切にしたい方に、是非お薦めしたい一冊です。
尚、この本はお医者さんが書いた本らしく、読んでいると医者側から見た医療の姿というか、医療の裏側を少し垣間見ることが出来ます。色々と医療の問題点が取り沙汰される昨今ですが、その後ろではこんなに頑張っているお医者さんがいるんだと知って、ほっとしたというか、ほろっとしました。この本を読むと、かかりつけの先生に対する見る目が変わるかも知れません。