武村さんは滋賀県知事から最初は無所属で衆議院選挙に出ますが、当選濃厚ということで前日に自民党から公認を受けます。晴れて当選して竹下幹事長のところに挨拶にいくと、「これは公認料だ」ということであとづけながら3000万円もらったというんです。その後、身を置くことになった安倍派の安倍晋太郎さんのところに挨拶に行ったら、派閥として2000万円もらったほか、他の派閥の親分からも100万円から200万円をもらったといいます。さらに安倍派の有力者である塩爺など"四天王"からも100万円から200万円をもらった、と。《選挙で一億円ぐらいかかったのか、数字は覚えていませんが。それでかなりカバーできるんです》ということでした。さらに、盆暮れにも自民党は300万円から500万円のカネをくれる、と。
このほか、議員報酬や文書通信費などももらっているのですが、東京で運転手を含めて3〜4人、地元に10人ぐらいを置くと、その人件費だけで数千万円になってしまい、《選挙がなくても一年間に一億ぐらい要るわけです。そこに飲み食いをやらせたら、すぐ二億、三億になる》《表の議員活動とは別に、仕事の陰で金をどう賄うか、どこから献金をいただいて安定させるか、というのは新人議員の大テーマなんですね。そこで失敗して、いろいろな利権に手を出したりすることも起こりがちです》(pp.14-18)というあたりは淡々と語られているだけに、すごみがあります。もうひとつリアリティを持って語られているのが当選回数。国会議員以外で培ってきた、例えば官僚、ジャーナリスト、地方議員としての仕事というのは《何の評価もされない》(p.27)というのです。《大きな宴席があっても、どこに座るか。一人でも二期生がいたら、下がって後ろに座る》というようかなことを新人議員は覚えなければなりません。なんてバカな世界かな、と…