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この本を読んでも、宮澤さんに個人的な政治的目標みたいなものを感じることはできない。日本という国に近代的合理性が通用するよう多少でもサポートできればいい、みたいなこだわりのないサーバントのようなイメージ。政府が自由貿易から踏み外しそうになると、それに対してはキチンと不快感を表明するなど自分でできることはやるけど、農業を切り捨てるかというような問題には最初から諦めているようなところにも出ている。出来ることはするけと、やりたいことが必ずしもできるとは最初から思っていない、みたいな。それは、都会育ちということや、大政翼賛会が発足した1940年に日米学生会議に出席するために渡米したということも影響しているのかもしれない。
「終章」で、憲法九条に関して「なにもあの条文を変えなければならないことはないのではないか。一種の歴史的な所産として、あってもいいというのが私の気持ちにはあります」と語っているのはいまのご時勢からすれば立派なことだと思う。
ぜひ御厨教授には続いて、山本正氏あたりのオーラルヒストリーを手がけて欲しいものである。
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