日本人って実に不思議な人種で、ヨーロッパの昔ながらの製法で何百年も続いているような食べ物のようなものは物凄く尊重するのに、古くからある日本のものにはそんなに気を配らないんですよね。こと食について言えば、世界中どの地域でも昔からそこで取れるものを食べていて、保存食や発酵食品も、その土地の素材が違うだけで作るプロセスなんてそんなに変わらないのです。LOHASだのなんだの言ってるけど、そんなものは昔の日本のぶんかにもあるわけです。日本は小国だとか言われますが、南北に広いので実に襞の深い食文化があります。この本のシリーズを見ているとその素晴らしさに圧倒されます。こういうものが過去の伝統食ということでこうして本の記録だけになってしまうのであればそれは勿体ないことです。このシリーズ、奥村彪生氏の丁寧なフィールドワークが結実した素晴らしいものだと思います。この巻を紹介したのは、基本的に保存食なので、調べたら入手できて手軽に楽しめそうなものが一番多いからです。料理好き、食い道楽であれば全巻読破をお薦めします。