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聞き書き にっぽんの漁師 (ちくま文庫)
 
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聞き書き にっぽんの漁師 (ちくま文庫) [文庫]

塩野 米松
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

北海道から沖縄まで津々浦々、漁師の生活を訪ねて歩いた珠玉の聞き書き。かつて水産国といわれた日本も、いまや水産物の自給率が六〇%ほどの輸入国となってしまった。テクノロジーの導入で失われつつある伝統の技、資源の枯渇、漁師の高齢化…日本の海で何が起こっているのか。漁師たちはそれをどう考え、どうしようとしているのか。意外にも知られていない、漁師たちの等身大の姿を写し出す。

内容(「MARC」データベースより)

漁の醍醐味はやったもんしかわかんねえ-。聞き書きの名手が津々浦々を訪ね歩き、全国の漁師13人に聞いた、伝承の技と漁師の生活。21世紀を迎える現在の日本の、沿岸漁業を主とする漁師たちの等身大の姿を写し出す。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 318ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/11/10)
  • ISBN-10: 448042654X
  • ISBN-13: 978-4480426543
  • 発売日: 2009/11/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By 放蕩息子 VINE™ メンバー
形式:文庫
漁師と言えば自然が相手。つい、工業化・商業化が進んだ現代日本の社会変化からは距離のある存在であるかのように思いがちだが、本書を読めばまず、それがとんでもない勘違いだと気付くことになるだろう。最近の数十年間で日本の商工業が大きく変化したのと同様、あるいはそれ以上の凄まじいスピードで、漁業もまた変化し、発展し、今やすっかり、いわば「資本主義漁業・市場主義漁業」の時代になっていたのである。

その凄まじい変化は、一時は漁師たちにかつてはあり得なかった富をもたらした。だからこの僅かな間の目まぐるしい変化は、以前であれば確実に「漁業の進歩」と呼ばれたに違いない。ところがその「進歩」の先にあったのは、もはやどんな技術革新でも贖えない、生業としての漁業の持続を不可能にする資源枯渇だったのである。
だから今日叫ばれている「漁業の危機」は、何も行政の無策ばかりが原因なのではない。むしろ他でもない漁業自身の発展と進歩、そして資本主義・市場主義の浸透とが、漁業自らを滅亡へと追い込んで来たのだ。

本書を読んでそのことを知った私には、今や歴史の黄昏に消え去ろうとしている“にっぽんの漁師”たちの後姿を、他人事として見送ることは出来ない。漁師ではない私もまた、自らの関わる商業や工業の活動を通じて、少し遅れて、彼ら“にっぽんの漁師”たちの背中を追っているに過ぎないと思えてならないからだ。

本書が最初に単行本として上梓されてから、既に10年が経つ。その間に我が国の漁業は少しでも、滅亡に向けられていた針路を変えることが出来たのか。それとも相変わらず、破滅の断崖へと一直線に、その船脚を速め続けているのか。日本の漁業の行く末に日本社会全体の未来を重ね合わせて、私は本当に背中が寒くなる思いがした。
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