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聞き屋与平 江戸夜咄草 (集英社文庫)
 
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聞き屋与平 江戸夜咄草 (集英社文庫) [文庫]

宇江佐 真理
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

江戸庶民の悲喜こもごもを綴る連作集
日暮れの江戸・両国広小路で、薬種屋のご隠居が始めた「聞き屋」。「お話、聞きます」の文句に惹かれてやってくる老若男女が、それぞれ胸の内を明かす。胸に沁みる時代小説連作集。(解説/木内 昇)

内容(「BOOK」データベースより)

夜が更けるとともに、ある商家の通用口に、男がひっそりと座る。「お話、聞きます」。与平は人の話を聞く、聞き屋。姑の愚痴をこぼす嫁、主人への不満を募らせる奉公人。過去に犯した過ちを告白する者…。みな、そこで重荷をそっと下ろして家路につく。聞き料はお客の気持ち次第。温かい家族に囲まれ、商売も順調。儲けのためでも酔狂でもない。与平はなぜ話を聞くのか。心温まる連作時代小説。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 集英社 (2009/7/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087464563
  • ISBN-13: 978-4087464566
  • 発売日: 2009/7/16
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 282,962位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
宇江佐作品は『卵のふわふわ』に次いで2冊目ではありますが、どちらも、楽しくあっと言う間に読めてしまい、それでいて最後には人間の人生をさりげなく考えさせる本でした。主人公は苦労を重ねて商いにもそこそこ成功したご隠居で暖かい家族に囲まれています。読者の多くが求めているであろう、ほのぼのとして活気のある江戸市井の人々の暮らしぶりもあちこちにちりばめられているので、読み物としてとても楽しめます。それでいて、狡猾で俗物の岡っ引きが与平の周りに見え隠れしてスリルもちゃんと用意されているのです。全体がほとんど与平の目線で書かれていますが、6編のオムニバス形式になっているので、忙しい生活の中に持ち込めば、ほっとした優しい一時を持てるかも知れません。(私は家事の隙間時間によく読んでいたので、台所の片隅にいつも置いてました。)聞き屋与平を通して私たち読者も、美醜様々な人間の生き様に立ち会う事になり、その設定がこの物語に色濃く漂うほのぼの感と上手く調和しているように思います。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 「小説すばる」に6回にわたって連載した連作小説です。

 時は江戸時代。明暦の大火からしばらく経ったころ。
 所は江戸一番の盛り場、両国広小路。
 仁寿堂という薬種屋のご隠居が、五日に一度、店を閉めたあと机と腰掛けを表通りに持ち出します。
 机にかぶせた覆いの垂れのことろに、「お話、聞きます」と書いてある。辻占いでなく、単に話しを聞くだけの「聞き屋」というちょっと変わった商売をはじめるところです。

 ただ話を聞く。
 お代も客の志しだい。
 何か胸につっかえのある者が男の前に座り、ある客はポツリポツリと、ある客は一気に吐き出すように話をはじめます。

 男の名前は与平。
 父親が立て直した薬屋を、自分の代で更に大店(おおだな)に発展させ、3人の息子に店をまかせたあと悠々自適の楽隠居……と世間の評判です。
 しかし、与平には、墓場まで持って行かなければならない秘密があります。鯰の長兵衛という岡っ引きが、与平が何事か隠していることを確信していて、聞き屋をしている与平の前に現れては、客の支払いの一部を巻き上げて帰っていきます。
 何でも金目当てでものを考える長兵衛に、いい加減、与平はうんざりです。

体の不調を覚えた与平は、残された時間が短いことを覚ります。
  もっと話を聞かなければならない。もっと。
  冥土の土産にするには、まだまだ足りない。

 そんな与平の前に、他家に嫁いで無縁となっているはずの先々代の店主の女房が現れて、物語は展開をはじめます。

 先々代の女房が鯰の長兵衛に話した疑念とは……。

 本書には、制約の多い封建社会を舞台に、それでも一生懸命生きた庶民が描かれており、山本周五郎の庶民物の雰囲気が漂っていました。
 著者の宇江佐氏は山本周五郎の衣鉢を継ぐ作者の一人かもしれません。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 与平は薬屋の隠居。誰でも持っている心の闇を、ただ聞く。
 問わず語りの話を、黙って、また相槌を打ちながら‥。
 誰にもいえない。でも、誰かに聞いて欲しい。
 話すことで心の重荷を減らし、人はまた修羅の道を生きてゆく。
 そして、話を聞く人間もやはりこころに荷物を負っているのだった。

 まるで聴聞僧が懺悔を聞くような設定だが、こちらは懺悔だけでなく世間話から
人の悪口まで守備範囲が広い。
 しかし、僧のように話す人に救いは与えない。
 ただ、聞くだけなのだ。
 江戸時代に較べ、人はより多くのことを知り、より多くの人と交わり、
そしてより少ない人としか心を通わせていない現代。
 心の闇は現代の方がはるかに深く、暗いだろう。
 はたして、現代を舞台に書くとどうなるだろうか、という期待を持った。
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