出版社がふれ込んだ「おしゃれなエッセイ集」などというのはとんでもない。ものすごい本です。物凄い人です、千住真理子さんという方は。常に「最高」を目指して自分を追い込んでいくさまは、まさに孤高のヴァイオリニストというにふさわしい。
「神は、そのことに耐えられる人にだけ、大きな試練と栄光を与える」という言葉が、心の指針とする好きな言葉だそうですが、これほど千住真理子を表す言葉はないのではないでしょうか。
「ホスピス」や、「身体障害者」、そして普段のコンサートでもさまざまな邂逅があります。千住さんの曲を聴いて、自殺を思いとどまった女性、そしてその責任の重さにぶるぶる震えた千住氏。ひとつひとつのエピソードに感動があります。
蛇足ながら、千住さんの文章は非常に上手です。きちんとオチがついていて、その瞬間、そのエッセイのテーマがひとつに凝縮されます。
最後に千住氏の決意の言葉、「たとえ苦しみばかりでも、そこに少しの希望も見えなくても、戦おう。生きるために、〜その命、尽きるまで」これだけでも、並大抵の人でないことが分かると思います。