1992年に発足した聖路加病院訪問看護科・11名のナーススタッフの活躍ぶりを中心に、同行取材した著者が在宅看護の現場を観察して語るルポだ。押川真喜子ナースマネージャーの経営−スタッフ−患者/家族との間に立つ奮闘ぶりを描いている。彼女によれば訪問看護師に必要な要素は“センス”「心の中に引き出しがいっぱいあり手先でない心の器用さ、手技は努力で身に付くが、心は難しい」のだそうだ。
様々な患者とその家族のケースを紹介しているが、中でも『寅さん』こと栗原征史さんの部分には泣けた。やっぱ男はつらいんだよね・・。「コリアン部落」〜「被差別の食卓」から本書と読みましたが共通していえるのは著者上原さんの取材対象の人々に対する、なんとも言えない暖かい目線が文章に滲んでいる点ではないでしょうか。両親離婚後自らの母を若くして亡くした経験が各著書に触れられているが、本書では特に「死に際の患者家族の振る舞い」に重点を置いて書かれている。昨年私も父親を亡くしましたが、死に際には何もしてやれませんでした。(末期大腸がん)残された母のために何がしてやれるか、考えるヒントをもらえた気がします。両親を送る年代になった自分と上原さんを重ねて、休日の1日で一気に読了させていただきました。