私は少年院の教官として生きてきましたが,若いころ,この仕事を始めしばらくして,この映画が封切られました。職場の先輩から声を掛けられて一緒に見に行き,原作も読んで,大変感銘を受けました。その後,私は実際に長野県にある少年院に勤務して,少年院の在院生60名と一緒に燕2763Mに登山する機会に恵まれました。作品は学校登山の話ですが,信州の人たちが,どれほど山を愛し,山に鍛えられ,山に育てられているか,そしてまた,若者たちを,山で鍛えようとしているかを知ることが出来ました。
それ以来,機会あるごとに,後輩の少年院教官たちに,この原作を読むことを薦めていたのですが,映画を作った会社の方にメールで確認したところ,残念ながら,映画の方は事情がありビデオになっていなかったようです。応対してくださった方は,その時,見ず知らずの私に,手持ちの録画ビデオを郵送し貸してくださいました。今でも,その方の親切は忘れておりません。
それが,2年前にDVDになったことを,最近知りました。それは,私がこの作品を薦めた後輩に久しぶりに会う機会があったところ,逆に私に,「以前,この作品のことを教えてもらったときにはビデオにはないと言われましたが,DVDになったので,購入しました。」と教えてくれたのでした。ずいぶん前に教えたことを,ちゃんと覚えていてくれました。彼は,私の思いを,次の世代に繋いでくれることと,ひそかに喜んでいます。
定年まで数年となった今,改めて,碑に対峙したいと思っています。教育とは何か,教育者とは,と考えるすべての人に,原作必読,映画必見と,お勧めします。