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聖者の戦い 小説フランス革命 4 (小説フランス革命) (集英社文庫)
 
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聖者の戦い 小説フランス革命 4 (小説フランス革命) (集英社文庫) [文庫]

佐藤 賢一
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

舞台はパリへ。聖職者の特権に改革のメスが
革命の舞台はヴェルサイユからパリへ。ついに、聖職者たちの富の独占が槍玉に挙げられる。自らが高位聖職者でありながら、教会改革を推し進めるタレイランの真の野望とは。(解説/茂木健一郎)


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤 賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/12/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087467716
  • ISBN-13: 978-4087467710
  • 発売日: 2011/12/15
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By INAVI トップ1000レビュアー
革命でも人生でもそうだが、「死んだらそれまでよ」である。
この点では、タレイラン様は、ラファイエットと並んで最強キャラである。

第4巻で、タレイランは4人目の主役として登場する。

ここで言う「主役」とは、3人称文体の中で、その者の言葉でストーリーが進む者のことで、本書では、ミラボー、ロべルピエール、デムーラン、そして、タレイランとなる。

次に脇役というか、主役と台詞を交わす人々がいる。ネッケル、ダントン、マラ、三頭派などがそうだ。
そして、本来は脇役以上の存在感であるべきが、背景のように書き割りされている人もいる。ラファイエットやルイ16世がそうだろう。

こうした歴史のステロなイメージに囚われぬ、作者の描く小説感を素直に受け止めることも必要だろう。

それにしても、タレイラン様、途中からの主役参入ということで、これでもかと圧巻のオレ語りをしてくれます。ゲイカのフランス革命で演じていく役割を知る者でも、この語りは結構楽しめるだろう。
悪文ながら、キャラ立ちという点では、本作品は充実している。
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
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本巻では、フランス革命のキー・パーソンが2人新たに登場。タレイランとダントンである。このようにキー・パーソンが徐々に増えてゆくスタイルは読みやすい。

特に重要なのはタレイラン。自身が司教という聖職者の特権を享受する地位にありながら、国家の財政危機の救済策として教会財産の国有化を発案し、議会がそれを可決する。タレイランの真意は何かは読んでのお楽しみ。

宗教面の改革はさらにエスカレートし、議会の教会改革委員は、聖職者は市民を交えた選挙で選ばれるとする、つまり上の聖職者を下の者が選ぶ法案の議会への提出を計画。これは神、聖職者、信徒と、天から地へ、つまり上から下へと降りてくる序列に従うカトリック信仰と衝突する。

聖職者の多数は当然上から下への秩序が破られることに反発し、仮に上の聖職者が下の者の選挙で選ばれるとしても、選ばれた者を叙任する機会を教会に与えてほしいと要求。その形式へのこだわりをまやかしと見るか、上位の聖職者から祝福されることによって選ばれた者に聖性が与えられる宗教の神秘と捉えるか。「聖者の戦い」が始まる。

この天から地への秩序と祝福の問題は、フランス革命に限らず、古今東西の宗教を巡る事件の多くを理解する鍵だと思う。

本巻ではまた、対外戦争開始と終結、つまり宣戦講和決定者は誰か、主権在民の下、議会か、それとも執行権者である国王か、という憲法の根本に関わる論争も勃発する。

これら論点の普遍性に気づかされ、その解決がどうなるのか、次巻への期待が高まる。
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By 樽井 トップ500レビュアー
 小説で読むフランス革命の第四巻です。
 日本では、ローマ全史や、薔薇戦争、日本の戦国時代について詳しい人は数多くいるにも関わらず、何故だかフランス革命となると、いきなりみんな知識がなかったりする。「確かルイ16世のときだよね」「マリー・アントワネットがギロチンにかけられるんだよ」「人権宣言ってあったよね」「ベルバラってどこまで史実(もちろんオスカルはいない)?」とそこまでひどくはなくもずいぶんと知識があやふやになる傾向が強い。何故かは知らず、パリ・おフランス贔屓の日本国民がです。
 「ロペスピエールって何した人だっけ?」「ミラボー アンチキリストと言われてたの?」「タレイラン? 名前聞いたことないなぁ(グルメには有名だけれど)」「ネッケル?」「宗教改革もここに入るの?」レベルになってくる。信長や秀吉や家康については、こまごましたエピソードまで知っている歴史好きの人でも、そうだったりする。
 何故そうなのか?
答は単純でフランス物語という世界である意味最初の民衆革命について、概観出来る面白い小説が一つもなかったからである。ロペスピエール、ダントン、ミラボー、タレイラン、アメリカ帰りのラファイエット、ダムーラン、ジャコバン派の面々やフランスのカトリック教会の人々の意識や思想の流れ、権力闘争のあれこれが理解できる物語がなかったからである。
 そして、それを描けるだけの力量ある作家がいなかったからである。フランス革命は先に書いたように内容としての知名度が薄い。結論だけは知っているかも知れないが過程がわからない。だから、日本の戦国時代を書くように短く省略できない。なぜならば、日本人であれば、その時代のことやそれぞれのキャラクターをなんとなくのお約束で前提条件として知っている上で話が書けるが、この時代のこととなると、日本とはあまりに異質かつ価値観も違えば考え方も違う個人を描くところから始めなければならないという点で非常に難しいし、どうしても長くならざるを得ないからだ。なにせ、人権というものがまだ価値観として存在していない世界であるし、子供は単なる大人の小さいものでしかなくて役にたたない中途半端なものという世界なのだ。
 それだけに、力量のある、そしてこれが大事なことだが、それぞれのキャラクターを魅力的な人物として書くためにそれぞれカリカチュアして書ける、かき分けられる、そして感情にダイレクトに響く書き方が出来る作家が書かなければどうしようもないのがこのフランス革命というものなのである。
 そういう意味でたくさんのフランスを舞台にして小説を書いてきた佐藤賢一という小説家が十年以上の資料収集と構想の上に満を持して書き始めたこの「小説フランス革命」は読み応えがあるだけでなく、ある意味の(武力的なという意味ではなく)革命が進行中の日本では読む価値が非常に高い小説であるといえる。
 
 そして、この四巻では、その中で宗教対立の話が出てきます。
 莫大な既得権をもつ聖職者たちが、税金特権を剥奪され、土地や私有財産を奪われ、国家公務員になされていく中での激しい綱引きがタレイランとミラボーによって画策されます。自身も司教でありつつもまったく神を信仰していないタレイランにはわからない世界にミラボーが道筋をつけます。教会特有のプライドと、建前だけでなく信仰が神からの人間社会の序列のひな形であると考えるものもいる聖職者との戦いは、大難航します。ローマカトリック教会・バチカンは、フランス国内における教会の私有財産や土地はフランスのものではなくローマ法王のものであり、叙任権も含めて法王のものであると感じるし、それに自分の利益を考えて乗じていく聖職者たち。
 革命はただ単に国王や権力を倒すだけではなく文化や宗教、とくにこの時代では宗教もふくめた価値観の戦いなのだということがよくわかる四巻です。
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