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聖灰の暗号〈上〉 (新潮文庫)
 
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聖灰の暗号〈上〉 (新潮文庫) [文庫]

帚木 蓬生
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。運命的に出会った精神科医クリスチーヌ・サンドルとともに、須貝は、後世に密かに伝えられた“人間の大罪”を追い始める。構想三十年、時代に翻弄された市井の男女を描き続ける作家が全身全霊をこめた、歴史ミステリ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

帚木 蓬生
1947(昭和22)年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職して九州大学医学部に学び、現在は精神科医。’79年に『白い夏の墓標』を発表、サスペンスの舞台を海外に据えた物語は直木賞候補となった。’93(平成5)年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、’97年『逃亡』で柴田錬三郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/12/24)
  • ISBN-10: 4101288194
  • ISBN-13: 978-4101288192
  • 発売日: 2009/12/24
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
二人ほど前にレビューを書いた方が、「全キリスト者を侮辱」する作品と酷評しているが、この作品で取り上げられているカタリ派というのも立派なキリスト者であった、ということを忘れてはならないだろう。宗教的な権力闘争(とは言ってもカタリ派のほうに権力欲があったわけではないのだが)と政治的な領土獲得欲が都合よく手を組んだことで、滅ぼされることになった南フランスのカタリ派とカタリ派を擁護する貴族達、彼らについての歴史的な事実を推理小説という形を借りて日本の読者に知らせた、というだけでこの作品は価値がある。カタリ派弾圧に象徴されるような異端に対する抑圧は、キリスト教という宗教の病なのではなく、キリスト教会という制度の病である、ということをはっきり理解する必要がある。出来るだけ多くの方がこの作品を読んで、西欧の根幹にある制度の問題点を少しでも読み取ることが出来ればいいのだが。ただし、この作品、ミステリーとしては今一である。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 宮寺良平 トップ1000レビュアー
形式:文庫
 魅力的なテーマである。私自身もカタリ派には興味があるので、歴史的な事実も面白かった。また、フランスが主な舞台となっているが、状況描写も精密だし、分かり易い。ミステリーであると同時に、文化と歴史を描いている作品である。
 カタリ派の殉教の場面は衝撃的である。歴史小説を書く作家の大切な仕事の1つは、失われた時を再現することかもしれない。特にカタリ派の処刑を目撃しながらも、教会に大きな疑問を持った人々の証言は、決して私たちには届かないはずのものなので、それを作家の想像力から再現してもらうことは、貴重な経験であろう。また、冒頭の詩は作者の創作によるものだが、良く出来ていると思う。
 ミステリーとしてはいくつかの疑問がある。カソリックの異端裁判や、異端者の処刑の詳細な記録が今現れたならば、確かに大きなイメージダウンになるかもしれない。しかし、そのために何人もの人を殺すような行為をするかどうか。異端審問そのものは良く知られた歴史的事実であるし、相当な記録が残っているからである。しかも、どのような記録であるかは殺人者にはわかっていないはずなのである。『ダビンチコード』の場合はキリストが結婚して子孫を残していたことを隠そうとする教会という設定である。これはキリスト教にとって大変な事実であるし、独身を原則とするカソリックの聖職者にとっては、プロテスタントよりも大きな打撃であろうから。
 例えば現在知られている新約聖書の資料よりも古いものが発見されて、それがカタリ派の教えに極めて近いというようなことがあれば別だが。
 また、細かい部分だが、学会での発表や質問の場面が、あまりに学問的でない。揚げ足をとるようになってしまうが、一遍とフランシスコの比較の部分などはかなり初歩的な議論である。また、ヨーロッパでの学会の最中に、発表内容とは直接関係のない部分で現代のカソリック批判をすることもあり得ないと思う。日本と比べたら宗教が生活に密着しているヨーロッパでの宗教批判はダブーだと思う。学者がこのようなことをするとは考えにくい。
 大きなテーマから見るとこのような細部はどうでも良いという人もいるだろうが、優れた作品になるためには、このような部分も精密に描くべきだと思う。とても好感の持てる作品であるからこそ少し残念である。
 また、この作品では宗教が大きなテーマとなっているので、キリスト教か、あるいはもっと広く宗教に関心を持っている人の方が興味の持てる作品だろう。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ナカ
形式:単行本
おおよそ文学とは、著者の感覚を読者が感じるものなのかもしれない。そういう意味で言えば本著の意図するところは達成されているのではないだろうか。
須貝、クリスチーヌ、エリック、エリーズ、カタリ派の聖職者たちと手稿を護り通した人たち。そしてその相反する立場にいる人たち。その人たちの心が読み取れる作品ではなかったか。と同時に、その心とは、現代人が忘れている人間らしい心。
いうまでもなく宗教と人間とは切っても切り離せない関係にある。悪の側に立つならば、宗教的権威と政治権力が結託して人間を支配しようとする心は現代にも生きている。その反面、宗教を人間の側に取り戻そうとする心もある。いつの時代もそれらがシーソーのように揺れ動いているのだ。
しかし、私は、本著を読んで思うに、人間らしい生き方、人間らしく生きるための、また人々と生きていくための「覚悟」を見たような気がする。そのことを感じるならば、本著に書かれたものが史実か、史実でないかは関係のないことなのである。
アリエス教授は言う、真贋を見分ける感性を持つことも人間にとって不可欠な資質だ、と。これこそが本著のテーマ、主題であるのだと確信する。現代に生きる人々はそのことを真摯に学ばなければいけないのではないだろうか。
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こういう小説でも、違和感がない時代に。
カタリ派のことは予備知識を持っていた。TBS「世界遺産」の番組で、フランスの世界遺産カルカソンヌをやったときに見た。... 続きを読む
投稿日: 2010/1/23 投稿者: 冒険マニア
凄烈な物語
帚木作品の素晴らしさは第一に、ストーリーの清々しさです。悪戯に殺人や裏切りで非現実感を煽ることがなく、悪人にさえどこか隣人愛を感じさせる暖かい視点がある。続きを読む
投稿日: 2009/9/22 投稿者: Jal!
カタリ派の話
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投稿日: 2009/8/15 投稿者: hamachobi
良くも悪くも日本人の作品
 先に下巻の方にレビューを書いたのだが、言い足りないので、こちらでも少し。断っておくが、帚木作品は大体においてファンである。... 続きを読む
投稿日: 2008/7/14 投稿者: ホレイシア
勉強になった
私は、単純に面白かった。
「ダヴィンチ・コード」より、こちらのほうがわかり易かったし。... 続きを読む
投稿日: 2008/7/6 投稿者: rennge
ミステリーとしてはちょっと。
12〜13世紀異端のキリスト教であるカタリ派をローマ教会が弾圧したという実話を元に、歴史学者が偶然発見した地図を手がかりに、その弾圧の証拠を宝探しのように見つけて... 続きを読む
投稿日: 2007/8/16 投稿者: カッツ2007
そこまでやるのか
上下纏めて扱う.この作品は危険な問題を孕んでいる.著者によれば,カトリック教会は現在でも極秘裡に異端審問の機能を備え,例えばカタリ派の弾圧に関する同時代資料など都... 続きを読む
投稿日: 2007/7/26 投稿者: ymatsui4
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