主人公緑子が母となって、前作『RIKO』より更に女性性の業の深さを軸とした事件を解決していく作品。
母になったこともあるのか、前作より主人公の人格設定が少し理解しやすくなっており(前回設定は“娼婦が誤って刑事になった女”でしたから…)、作品全体にリアリティーが生まれています。
現実を忘れてフィクションに溺れたい、と言う願望はあるにはあるんですが、リアリティーのある人物設定って、だからこそ重要なんだなぁ、と、この2作の読後感比較で認識を新たにしました。
とは言え、その時その時の感傷で恋愛関係にはない人物と依然として肉体関係を持つRIKOにどこまでも違和感…。
何故なら、その関係を持つ過程に説得力を感じないんです。勿論作者は主人公の心理をしっかり説明してはいるんですが、“説明的”なんですよ、どこまで行っても。無理くり感が否めません。
ただ、ここでようやっとヤクザの若頭である山内と、元刑事である探偵麻生が登場します。
脇としてしか存在していない彼らの泥沼の愛憎関係こそが、皮肉にもこの作品に独特の厚みを持たせています。