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聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)
 
 

聖母の贈り物 (短篇小説の快楽) [単行本]

ウィリアム トレヴァー , William Trevor , 栩木 伸明
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,520 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

"孤独を求めなさい"---聖母の言葉を信じてアイルランド全土を彷
徨する男を描く表題作をはじめ、ある屋敷をめぐる驚異の年代記「マティルダの
イングランド」、恋を失った女がイタリアの教会で出会う奇蹟の物語「雨上が
り」など、運命に抗えない人々の姿を鋭利な視線と引き締まった文体でえぐりと
る稀代のストーリーテラー、トレヴァーのベスト・コレクション全12篇。 

内容(「BOOK」データベースより)

普通の人々の人生におとずれる特別な一瞬、運命にあらがえない人々を照らす光―。“孤独を求めなさい”―聖母の言葉を信じてアイルランド全土を彷徨する男を描く表題作をはじめ、ある屋敷をめぐる驚異の年代記「マティルダのイングランド」、恋を失った女がイタリアの教会で出会う奇蹟の物語「雨上がり」など、圧倒的な描写力と抑制された語り口で、運命にあらがえない人々の姿を鮮やかに映し出す珠玉の短篇、全12篇収録。稀代のストーリーテラー、名匠トレヴァーの本邦初のベスト・コレクション。

登録情報

  • 単行本: 408ページ
  • 出版社: 国書刊行会 (2007/02)
  • ISBN-10: 4336048169
  • ISBN-13: 978-4336048165
  • 発売日: 2007/02
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 376,682位 (本のベストセラーを見る)
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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
トレヴァーの描く世界は至極人間臭くていじわるだ。それはとりあえず試しに巻頭の「トリッジ」を読んでみればよくわかる。ここに登場するのは、十三歳のトリッジという少々まぬけな少年だ。彼はおつむが弱いのか、自分が笑い者にされても一緒にヘラヘラ笑っているようなところがある。そんな彼の少年時代のエピソードが語られ読者は彼の半人前以下の寄宿舎生活を追体験する。なんとも情けなくて、でも憎みきれないトリッジ。この短編の前半はそういったユーモアを感じさせる雰囲気の中進行していく。しかし後半にはいって様相は一変する。なんという展開だ。そうきたか。なるほど、トレヴァーってこんな感じなの?こんな具合に、トレヴァーは人間の邪まな部分や不実な部分を好んで描いてゆく。しかし、そこに嫌悪感はない。それらのいわば『負』の部分を強調していても、嫌な感じはないのだ。なぜなら、それが人間なんだという肯定のもと話が構築されているから、読み手としても素直に受け入れてしまうのだ。人間ってこんなもんなんだよ、これが人間の真の姿なんだよと作者がやさしく説いてくれてるような感じだ。

ところで本書の中で一番良かったのが「マティルダのイングランド」。これは短編というより中編ぐらいの分量があったのだが、古き良き時代で幕が上がった物語がラストでは○○○っぽい話になってしまうところが凄い。この展開は、ある意味ミステリにも通じるカタルシスがあった。う〜んトレヴァー凄いぞ。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
買いです。 2010/4/2
形式:単行本
「ジョイス、オコナー、ツルゲーネフ、チェーホフに連なる現代最高の短篇作家」と冠されるウィリアム・トレヴァーの「12曲」の「ベストアルバム」なので、悪かろうはずはないと思っていましたが、これまでに読んだのが柴田元幸氏の「むずかい愛」と村上春樹氏の「バースデイ・ストーリー」に収録されていたものだけで、正直さほど強い印象が残っていませんでした。しかし、こうしてまとまったものを読んでみると、その行き届いた細部へのこだわりや、展開や落とし所の巧みさといった、短篇作家に求められる資質の高さを嫌が応でも味わうことができます。新潮社クレスト・ブックからも出ているのになにを今さらと愚鈍の極みを恥じ入るばかりですが、まだ未読の方にはぜひにとお勧めしたい一冊です。個人的な好みで言わせてもらえば、あれこれ考えることができそうな表題作「聖母の贈り物」がよかったです。それからこれは蛇足かもしれませんが、「訳者あとがき」の「趣味趣味音楽」は傍点ではなく、「音楽」に「ミュージック」のルビを振ったほうが、「総合制中学校」に「コンプリヘンシブ」のルビを振ったりする翻訳もののパロディになって、「ナイアガラのファン」の方に喜ばれたのではないでしょうか。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
短編集『聖母の贈り物』に収録されているのは,
ウィリアム・トレヴァーが過去に発表した作品の中から
訳者 栩木伸明によって選び抜かれた12の短編だ.
その内の8篇は1978年に発表された短編集
『Lovers of Their Time』から採録されている.

その8篇には,必ず一人,
ある特質を持った人物が登場する.
彼らは想像力が豊かで,
常に夢を見たりイメージの世界を膨らませたりしている.
しかし,彼らが夢に溺れたり
イメージの世界に飲み込まれたりすることは決してない.
彼らの前にある現実の世界が,
最終的には彼らの夢やイメージを打ち壊し,
想像の世界から彼らを引き戻してしまう.

聖地エルサレムに憧れていた神父は,
実際に訪れて目にしたエルサレムの光景
(銃を持つ兵士・街角の売春婦・下品な観光客)によって
夢から覚め,現実に引き戻されてしまうだろうし,
(『エルサレムに死す』)
不倫相手との理想の暮らしに憧れていた男は,
実際に始まった(その理想とは程遠い)暮らしによって,
夢から覚め,現実に引き戻されてしまうだろう.
(『イエスタデイの恋人たち』)

夢から覚めた後の喪失感,
これがウィリアム・トレヴァー独特の味.
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