「聖武天皇」の伝記。奈良時代の天皇で天武天皇の曾孫に当たる聖武天皇ですが、幼い頃から両親に似て病弱だった。
世は農民が貧しいのに役人は厳しく税を取り立てるものだから、一向に暮らしはよくはならない。
しかも中央政府では藤原氏の権力争いで藤原不比等の息子に当たる四兄弟が政敵の長屋王を陥れたりする。
その天罰か、疫病が大流行して藤原の四兄弟はいずれもあっけなく世を去り、聖武天皇は国家安定を願って益々仏教にのめり込む。
皇后の光明子が貧しい人々の病気を治療するための施設を造るなどの慈善事業もしていた。
だが、大仏建立で諸国の農民が動員され、苦しむことになった。
当時、民衆に人気のあった行基菩薩も朝廷に政治利用された側面は否定できないが・・・・・
案外、ご本人はそれを承知で作戦に乗ったのかもしれませんね。
終盤では「遣唐使」の話にシフトして、当時の造船技術で荒波を乗り越えて中国まで行くのがいかに難しいのかが知れます。
結局のところ、民衆の貧しさを権力者はあまり救えていないという時代だったということでしょうか。
中央の権力争いに勝ち残った藤原氏が、それで民衆を広く助けたわけでは全然ないと。