NY住まいで非宗教的なユダヤ系アメリカ人の著者が、本のネタにと一年間聖書に書かれた戒律を守って暮らした生活ぶりを日記形式でまとめたのが本書。
まず最初に新約・ヘブライ語(ユダヤ教の方は旧約聖書をこう呼ぶそうです)聖書から700余りの規則を抜き出しリスト化して覚え、全てを出来る限り実践していくという形。ただ2つの聖書には相反する部分もあるので前半8ヶ月はユダヤ系アメリカ人である著者に馴染み深いヘブライ語聖書、後半4ヶ月を新約聖書に分割して当ててます。
本のネタという明確な目的がある為、色々な立場の人(キリスト教各宗派・ユダヤ教のラビ・ニュースで名を聞くような宗教など実に多種多様)に会って話を聞いたり、根源であるイスラエルへの旅、暦上の儀式から遂には鶏を捧げたり虫を食べたりNYの町中で他人に石打を試みたり!奴隷を手に入れたり!と、様々な事に(真面目に)挑戦するので読んでいて飽きません。
特に面白いなと思ったのが宗教とビジネスの関連性。聖書専門店に始まり混紡の服を着てはいけない教えを守る為の混紡検査員、映画から戒律に背くシーンをジャンルごとに自由にカット出来るレンタルDVD&専用再生機など、有名どころのイスラム金融やコーシェルみたいな物だけで無く生活に根付いた細々した宗教的サービスが書かれているのが良かったです。また様々な人がどうやって聖書と現実生活との折り合いをつけているのかという部分も非常に興味深い物がありました。
この方は執筆時37歳。結婚していて小さなお子さんも居るために、宗教的生活を試みていない奥さんとの関係性、アパートの隣人や友人たちとの関係性も本書の見どころの一つ。
聖書という興味深いネタを面白く読める良い本でした。生活の中の宗教という実際の様子が伺えるのが良いですね。
ひとつだけ注意点は日記形式で親近感を持たせる為かアメリカでは有名な商品名やチェーンストア、TV番組名といった固有名詞、また著者が映画好きなため映画の中からのネタが数多くあり、注釈が全545個に上るので注釈が苦手な方は注意。
前作に当たる
驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!も注文してみました。こちらはブリタニカ百科事典を読みとおすという荒技に挑戦、終わり頃にミリオネアに出演して結果は‥という内容。こちらもお薦めです。