幕末・維新は、日本人を熱くする。今が、ダメな時代だから余計にそう感じるかもしれない。おそらく、好景気の時代だったら、あまり注目されまい。
あの時代も、「今のままじゃダメだ」と思った人々が、何かをつかもうと、西洋の文明に目を向けた。技術や制度ばかりが注目されるが、実はその根幹にある「聖書」に目を向けた人々もいた。洗礼を受けなかったにしても、勝海舟や福沢諭吉、大隈重信など、明治の蒼々たる偉人たちが、聖書や宣教師に濃密に接していたことが、この本を通してわかる。
それまでの価値観が、ぐらぐらと揺らぎ、頼りにならなくなったときこそ、確固たる信念を持っている者だけが、時代を切り開き、新たな時代を築くことができる。今の国家の中枢にそんな信念を感じさせる者など見えないから、日本はもっと落ちていくだろう。
時代に翻弄されない生き方をした「聖書を読んだサムライたち」は、この暗い時代にあって、精神的な意味でしっかり立つにはどうしたらいいのかを教えてくれる。