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父と娘の近親相姦を巡る物語を軸にしながら、時折ジュネ的であったり、いまどきの質の悪い大衆小説にありがちな消費社会のフェティシズムを提示してみたり、読み進めるほどに万華鏡のようにその世界がくるくると変わっていく。そのコラージュ的な世界は今の間抜けな大衆小説が無意識のうちに真似ているものだ。そして読者は圧倒的な虚無の中に投げ出され、唐突に物語は終わってしまう。
そう、これはあくまでもコラージュによって美しく作られた「物語」なのだ。このように自己という薄汚れた恨みがましい主体を語ることなく紡ぎ出された言葉に嫉妬しているのだ。この作品が不当に評価されているということは、日本の「物語」の未成熟を物語っている。
まずは一読あれ!
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