わざと“泣ける映画”を選ぶような感覚で、「何か感動できる本でもないかな〜」と思っていた自分がちょっと恥ずかしくなりました。
この本の中のお話には、変に読者の好奇心を煽るような際どい描写や、泣かせようというのがミエミエの大仕掛けはありません。
でも、心の中のやわらかい部分をギュッとつかまれたような気持ちのまま、五つの短編を一気に読んでしまいました。
私が特に気に入ったのは第二話の「猫」です。
雨の夜に拾った、あちこち毛の抜けた片目の猫。彼との優しいやりとりだけでも、あったかくて切なくて涙が止まりませんでした。
(色々書きたいところですが、これ以上は言えません。)
著者が男性だということが本当に驚きですが、特に大人の女性には絶対おすすめの“大人のためのファンタジー”だと思います。