黄金の紡錘の手掛りを追って聖なる島に導かれたテラナーの過去界での苦闘を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第214巻。本巻の執筆者は、精力的に執筆を続ける二人の競演ダールトンとフォルツです。5万5千年前の地球でローダン一行はレムール人の都市オレガリスの危機を救い、黄金の紡錘(つむ)の情報を彼らレムール人から得る。
『聖なる島への旅路』クラーク・ダールトン著:遥か東方の人跡未踏の地トロニス地方に、黄金の紡錘が飛び立つ聖なる島があるらしい。ローダンはそこがゼロ時間デフォルメーターの時間旅行を妨害する敵基地とにらんで、謎の島を目指し東へと進んで行く。『サンダーボルトチームの出番』ウィリアム・フォルツ著:真っ黒な湖の中心にある島の自動機構が発動し、グッキーとラスのテレポート・ジャンプは五次元の障壁に阻まれて失敗する。ローダンはシガ星人の乗るロボット、パラディン3に島に仕掛けた爆弾に点火する任務を与える。彼らサンダーボルトチームにとって死の放射線と煮えたぎるアスファルト湖の危険を乗り越える、まさに命懸けの作戦がスタートした。
レムール世界のモンスター達は、ネアンデルタール人、半人半馬のケンタウルス、一つ目の巨人キュクロプスに加え半魚人アルガザト、ドロカルと呼ばれる恐竜T−REXで、彼らを総称してブレビオと呼びます。前巻に続いての池田香代子氏のあとがきは社会問題のお話です。最近、出来の悪いSFじみた不快な事件が世間を騒がせている事に触れ、「事件を起こした張本人たちは翻訳作品からヒントを得ているのではないか」との同業者の呟きに「それは大きな大間違いです!」と反論されています。例の事件は病んだ想像力の妄想が生んだ物であり、フィクションを愛するすこやかな想像力とは無縁の現象と結論づけ、心おきなくフィクションの世界に遊ぶ事は、百益あって一害なしと断言されています。