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5つ星のうち 5.0
人が人らしく育つために必要なことは、障害者も健常者も変わらない。,
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レビュー対象商品: 耕して育つ―挑戦(チャレンジ)する障害者の農園 (単行本)
この本は、横浜市の地域作業所の一つである「グリーン」のここ10年における実践記録であり、障害者の福祉状況について考えたものである。
このグリーンには(05年2月現在)に29人の知的障害者(うち24名が重度)が通って農作業をしている。そのグリーンの目標の一つに、「地域にとって必要な存在となる」というものがある。障害者だからといって同情されるだけではなく、自分を理解し支えてくれる地域に役立てる存在になろうということだ。また、育ちの基本を便利なものや安易なものに頼らず、自然の中で身体をできるだけ使って自給自足の生活をすることに置いている。 この本を読み終えると、この原則に則した生活習慣が豊かな収穫をもたらしていることがわかる。例えば、指導者やボランティア、そして仲間と共に汗をかき農作業をすることが、知的障害者の体を鍛え、それが身体だけでなく心の安定も育てている。また、障害というその困難さが、逆に人と人を結びつけ、支え励まし合える仲間を作っていっている。 しかし、便利・快適な環境で育った健常者と言われている人たちには、不登校、引きこもり、イジメ、リストカット……など、逆に体力、気力の低下がはっきりと現れ、心が満ち足りることもなく、人と人との結びつきも希薄で孤独だ。この事実が今の社会と教育の貧困さを証明している。 ある意味、障害を持っている弱者だからこそ、人が人として育っていくために根源的な原則に沿っていくことが必要だったのだ。そして、その実践の果実が、大きな恵みとなって私達にあることを教えてくれている。それは、グリーンで目標とし実践されてきたことが、障害者に限定されるものではないということだ。人が人として育つための原則にその区別はない。むしろ、現代においては、健常者といわれる人にこそ必要不可欠である。この観点からも農の持つ教育力を真剣に再評価する必要がある。そして、このことを深く考えさせられた本である。
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