かと言って、そうした装置があればいくらでも優れたアイデアが浮かぶのかというと……そう簡単にはいかないんだな、これが。いい企画はどうしたってアクシデント的な要素を含む。故にいい企画屋とは、アクシデントが発生しやすい場を自分の中にすぐ生成できる人のことを言う。本書の著者は広告代理店・博報堂に勤務する現役のサラリーマン。若手クリエーター向けのアイデア本としてはもちろん、管理職の人などには下手なビジネス本より役に立つかも。戦略だって企画のひとつですから。(編集部・高橋幸治、2003年6月号)
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ブレーンストーミングもその一つ。くらたまなぶ氏も『創刊男の仕事術』でその重要性を強調していた。しかし、これ意外と難しい。まず相手がいない。たとえ相手がいたとしても、時間が合わない。
そこで本書の出番だ。どんなものでも「人間が考え出したこと」。アイデアは既存の要素の組み合わせだから、アイデア出しの思考はひたすら拡散させる必要がある。
「似たような案を、似ているからといって一緒くたにしてしまったり、頭の中で勝手にまとめてしまうこともよくありがちですが、それはもったいない」
「複数の選択肢の可能性に自分を置いてみることは大事です。創造性がない、と言われる背景には、こうした選択肢があまりに少な'''環境で結論を出してきたことにもあるように感じます。」
ことあたり、フムフムという感じで読む。そして目がとまるのが「マンダラート」。いくつかの<考具>の中でも、筆者が一番力を入れて紹介している。
「シンプルなフォーマットから不思議なほどアイデアが出てくる」と見出しにある。ほどよい強制力を思考にもたらす装置だ。筆者は、この手法を使い倒している。
マンダラートの具体的な使用方法を知るだけでも、本書を読む価値はある。
以下ご紹介すると
●企画が仕事になってしまった人は・・・31ページ
●アイディアに煮詰まっている人は・・・202ページ
●広告会社に興味のある人は・・・10ページ
●ピカピカのフレッシュ(マン←脱字?)&ウーマンは・・・88ページ
●新たに部下や後輩ができた人は・・・153ページ
といった具合です。このあたりにも既存の「立ち読み=×」という概念にとらわれていない筆者のアイディアの奔放さを感じました。私のお勧め立ち読みポイントは「企画が仕事になってしまった人は」です-これで購入を決断しました。
筆者は考えるためのツールである「考具」をくだけた語り口で実例も交えて分かりやすく説明していますが、いずれのツールも「プロ向け」であることは間違いなく使い手を選ぶかも知れません。
が、巷に溢れる"簡単に出来るxxx"のような本とは一線を画していて、誰にでもきちんと手順を踏む(裏技的なものは殆どない)ことにより商業レベルのアイディアマン&ウーマンとなれることを示しています。
かく言う私は筆者の広告業界とは程遠いフィールドで生計を立てていますが、ビジネスには常に大なり小なりの企画(project)で成り立っていますので、一種の「思考規範」と出来るなと感じました。
また、後から読み流すこともできるようにちょうど良い塩梅で(これが多すぎる本が多すぎる!)ポイントが太字になっているのも、体(アタマ?)に染み込ませるには良さそうです。
お勧めです。
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