本書は世紀の大発明をたった1人でなしえた男の「感動の物語」である。著者は、一昔前の日本で、そこかしこに存在した頑固な職人魂を持つ男である。「二十世紀中には絶対無理」と言われていたノーベル賞級の発明「高輝度青色発光ダイオード」の誕生話が書かれた本書は、著者の子ども時代の話や学生時代に出会った裕子夫人とのエピソードもあり(虫くいだらけの穴のあいたセーターを着ていた彼を大学生で見出した夫人には人を見る力が先天的に備わっていたのだろう)半自叙伝風でおもしろい。実験設備の整っていない地方の中小企業、度重なる失敗、会議にも電話にも出ず実験に没頭した日々、会社命令のあいつぐ無視、日本の学会の冷たい反応…。これでもかというほどの困難が襲うが著者は決してめげない。追い詰められてこそ力を発揮する楽天家なのである。
「自分を信じて突き進む勇気さえあれば、成功は現実のものとなる。大きな成功はつい目と鼻の先に転がっているのだ。それをつかむもつかまないも、ひとえにあなた自身の目的への執念と発想の転換にかかっている。考える力、やり抜く力にかかっている。そして、すべてはここから始まる」という言葉にあらためて勇気づけられる人もいるだろう。(稲川さつき)
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個人的にすごく感銘を受けたのは、組織の中で葛藤する彼の姿だった。ともすれば、常識という枠をはめられ、挫折を強いられがちな会社組織の中で、いかに自分の意思を通し、成功へと導いていったのか、組織人としてのあり方に悩む現在の私には、爽快であり、マネはできないだろうが、参考にしたいと思った。
最後に、7章でのカーネギの「自分は有用な人材であるという自信ほど、その人にとって有意義なことはない。」という言葉の通り、いい意味で自分の能力に自信を持って生きていけるようにしたいと思った。
普通の人にはどう考えても耐えられないような逆境の中で、圧倒的な実績を収めた著者に対する批判は、どうしても負け犬の遠吠えに聞こえてしまいますが、だからと言って「勝てば官軍」、かというとそのような単純な話でもありません。
問題は、結局著者のような方がアメリカでの活動の場を選ばざるを得なかった、ということであり、そのような事例はこれまでもたくさんありました。日本という国は将来どのようになってしまうのでしょう?
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