少子高齢者社会にあって、このショッキングなタイトルの本を手に取ったのは、危機感を感じたからだ。果たして著者の西垣千春氏は何を提示してくれるのかと興味を持った。また、周りに多くいる高齢者、いずれ自分も高齢になったときに、どういう自己管理(セルフマネジメント)できるのか、今準備することは何かとおもいをめぐらせた。
必要な情報が必要な高齢者に届かないときに、セルフマネジメントができない高齢者たちの孤立が増えていて、本には「事例で見る生活破綻」6つも載っている。これでは、ますます不安になる。幸福度は「健康」「家族」「収入」で決まるというけれど、それだけでは、予期してないない問題に立ち向かえないこともある。
安心したことは、著書によると高齢者に必要な情報は現在の日本であれば、ほとんど揃っていること。しかし高齢になれば、自己管理、セルフマネジメントが次第にできなくなり、「自立」なんて無理だ。それじゃ、どうすればよいのか…著者は大阪の「社会貢献事業」を紹介している。
社会貢献事業では高齢者介護の問題だけでなく、低所得問題、児童問題、社会的孤立、虐待など「総合生活相談」として要援助者に対応し、適切なサービスや機関と人を繋げつつ問題を解決しようと努力しているそうだ。「行政と民間の協力」として八尾市の例もあげている。
本の最後の方に著者は「だれもが社会資源になりうる」と言っている。彼女が言っている意味は高齢者や困っている人たちの隣人は私たち一人ひとりであって、声かけをしたり、ちょっとした近所の人たちの変化に敏感になって、援助をしたり、適切なサービスと結びつけることができるということだ。人や自分の「希望ある生活」を建て上げるにはお互いの助け合い、励ましあいが必要なことだ。これは東日本大震災後の私たちにとって、理解できるし、実行していきたいことである。そういえば、私が住む町にも「お互いさま事務局」なんていうのがあって、近隣の一人ひとりが見守っている。
この本は今、住んでいる社会のこと、これからのことを考えるチャンスをくれる本です。お薦めです。