老年の大カトーが、小スキピオとラエリウス(キケロ『友情について』でも登場)を相手に、
老年が惨めな、避けるべきものなどではないことを論じる。
一般に、老年は公の活動から遠ざけ、肉体を弱くし、快楽を奪い、死に近いとされて、疎んじられる。
カトーはこの4つの点について、自分の例や知人の例、さらにはギリシア哲学者の例や意見などをまじえつつ、
「そうではないのだ」ということを順々に丁寧に説明していく。
例えば、老年は死から遠く離れていない、という点については、若死にする場合も多いし死はみな平等に訪れるという実例に加え、
魂は不死であるし、もし、肉体も魂も何もナシになってしまうという意見を採るとしても、それはそれで害はない、
という哲学をもとにした意見をもって、論駁する。
老年に重きを置き、いかに生きてゆけばポジティブに老年を生きることができるのかわかりやすく示され、
もしかすると現代の自己啓発本としても機能するかもしれない興味深い一冊。
巻末には、本書の登場人物三名および著者キケロに関する解説、年表、訳注つき。
印刷も大きめの活字ですっきりと読みやすく仕上がっている。