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老人性うつ (PHP新書)
 
 

老人性うつ (PHP新書) [新書]

和田 秀樹
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本の高齢者の5%はうつ病と聞いたら、あなたは驚くだろうか?
実際、うつ病と躁うつ病で治療を受ける約100万人の患者のうち、60代以上が4割を占める。さらに同じ100万人もの高齢者が、うつ病なのに見過ごされて放置状態というのだ。
本書は「老年精神医学」の専門家が、認知症と誤解されがちな“老人性うつ”の実態から早期発見、治療までを解説。
「内科の治療にも影響――高齢者が入院すると、2割がうつになる現実」「記憶力の低下――アルツハイマーなのか? 高齢者のうつ病なのか?」「認知症の人のほうがうつになりやすい?――別々に考えるのはNG」「元気がなくなるのは当たり前?――高齢者のうつが見過ごされる理由」「新世代の抗うつ剤が登場するが、精神安定剤が高齢者に使われる場合も」など、若い人や中高年には見られない高齢者特有のうつ症状とは?
「おかしいな?」と周りが感じたら、ボケよりも先に老人性うつを疑うべきだ。

内容(「BOOK」データベースより)

日本の高齢者の五%はうつ病と聞いたら、あなたは驚くだろうか?―実際、うつ病と躁うつ病で治療を受ける約一〇〇万人の患者のうち、六十代以上が四割を占める。さらに同じ一〇〇万人もの高齢者が、うつ病なのに見過ごされて放置状態というのだ。本書は「老年精神医学」の専門家が、認知症と誤解されがちな“老人性うつ”の実態から、早期発見と治療までを平易に解説。若い人や中高年には見られない高齢者特有のうつ症状など、「おかしいな?」と周りが感じたら、“ボケ”よりも先に“老人性うつ”を疑うべきだ。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2012/3/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4569802834
  • ISBN-13: 978-4569802831
  • 発売日: 2012/3/15
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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自分は上京して離れて暮らしているせいもあるが、子供のころから尊敬していた父親が70代を前にどんどん「無気力」になっていくのが、見ていて辛くて、この本を取ってみたが非常に参考になった。

高齢者がおかしな言動を取り始めると、周りの99%の人は「すわ! ついにボケてきた」と慌ててしまうのが実情だが(それだけ認知症や介護の問題に対する恐怖が大きいと思う)、本書によると脳内の神経伝達物質の減少などの理由から高齢者は「うつ病」に非常にかかりやすく、実に高齢者の20人に1人(5%)が「うつ病」であると知って本当に驚いた。

本書には「脳梗塞にかかると、うつ病が起きやすい」ともある。確かに脳梗塞を患った自分の伯父は(ヨチヨチ歩きになってしまったせいもあるが)、まったく無気力になって数年後に亡くなってしまった。

自分や周りの親戚は、その状態を「脳梗塞になったのだから当たり前(仕方ない)」と深く考えなかったが、本当は「うつ病」が大きな割合を占めていたのかもしれない。同じような理由で、高齢者のうつ病は(本人も家族も医者も)見逃しやすいというのは、その通りだと感じた(高齢者が入院すると2割がうつ病になるという。環境の変化にそれだけ弱くなる)。

しかし本書の指摘でいちばん重要な点は、「『認知症』と『うつ病』を分けて考えてはいけない」ということだろう。どちらか片方だけ考える(気にする)のはNGなのだ。

つまり、認知症の人も「うつ病」になる(むしろなりやすい)し、その「うつ病」の部分だけでも「抗うつ剤」で治してやると、無気力や反応が鈍いなど「いかにも認知症っぽい」症状が劇的に改善するのだという。「まるで認知症が治った」かのように、著者は家族に感謝された経験があるそうだ。もちろん「認知症が治った」云々は家族の誤解なのだが、それだけ「老人性うつ」の問題が理解されていない現実だろうと、著者は回想している。

本書は、このように認知症にも相当なページ数を割いているので、認知症の問題と合わせて考えるうえでも非常に役立つと思う。また「夢遊病に近い症状」と書いてあるが、認知症よりも認知症らしく見える『せん妄』の存在は、初めて知ってショッキングだった。

いろいろ衝撃を覚える内容も多いが、著者は「高齢者のうつ病は薬で改善させやすい」と非常に強調している(だから勝手に悲観して諦めたり放置せず、おかしいと思ったらとにかく早く病院に行きなさい)ので、その点では安心感を覚える。

また本書は、重要箇所が「これでもか!」と太字でたくさん強調されているので、最初にパラパラと見たときはあまりの量に「うわっ!」と思ったが、最初から普通に読み進めると、何を絶対に知っておいてほしいのか著者の意図がよく分かり、また内容が効率よく一発で頭に入るので、良心的すぎるというバ○丁寧というか、まあ相当な高齢者も読者に意識しているのだろうか。高齢者の自殺の多さ、高齢者がうつ病に陥る心理学的背景、政治の問題など、いろんなところに話は飛ぶが、総じて分かりやすいことは間違いないだろう。

たくさんの太字のなかでも、下記がもっとも自分の印象に強く残った。
「高齢者の場合、まず(診療で)うつを見落とさないことが大事」
「『ボケたように見えるけど、実はそうではない病気がある』と前もって知っていないと、本来は薬で治せる病気なのに見過ごされてしまう」
「私はいつも、うつになったまま寿命が尽きるのがいちばんの悲劇だと主張している」
「うつの薬を試してみたり、せん妄の治療をしても改善しなかったとき初めて、『やはり認知症だったんだね』と諦めても遅くはない」

前のレビュアーの方も書かれているが、高齢者の介護の問題を考えるうえでも、この「老人性うつ」という病気は、もっともっと世の中に知られるべきではないかと思う。そういう意味でも、また類書がほとんどない現状からも、本書は「入門書」としてこれ以上ない内容だろう。
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By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
「うつ病は気が弱いから、心が弱いからかかる病気ではない。先述のようにセロトニンが減少すれば誰でもかかる」。

老人性うつの本。痴呆症などに比べて見逃されがちなこの病気が、年配者の意欲低下や自殺につながったり、さらにはアルツハイマーなどの病気と関係がある場合があることも指摘し、その対策についても説明している本。うつ病全般に対する誤解を正している部分もある。著者は、学習法などの分野でも様々な本を書いている老年精神学の専門家。

米国のプライマリケア用の指導書として有名な書籍に、高齢者で気をつけなければならない症状として書かれている3つのD、すなわち認知症(Depression)、せん妄(Delirium)、うつ(Depression)のうち、老人性のうつへの意識が日本では弱い。しかし、日本の年間自殺者約33,000人のうち4割弱の約12,000人が60歳以上で、その背後にはしばしば心の病が潜んでいることを著者は指摘する。実は高齢になって脳の機能が弱ってくるとともに、うつ病を発症しやすくなる。しかし、それがしばしば年をとったからだとか、認知症の始まりだとされている結果、年配者が精神を病んだまま陰鬱な気持ちで余生を送ることになるケースが見られるのだという。また、年をとると様々な病気にかかりやすくなるが、それに心の病が加わることで絶望感が増幅されたり、食欲や動く意欲が落ちて体の衰えに拍車がかかるということもあるようだ。

一方、加齢によるうつ病は、比較的原因が特定しやすく薬による治療が効果を上げやすい傾向がある。SSRIやSNRIあるいはさらに新しいNaSSAという抗うつ薬の効能や副作用の説明、精神安定剤は筋弛緩作用があるので高齢者は転倒などのリスクに注意する必要があると述べている箇所もある。また、終盤では、著者が他の本でも述べている粗食への警告や生活習慣における注意点についても触れている。重要な部分はところどころ太字にしてあって、わかりやすい。
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By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
とっても分かりやすく、
老人性うつについて解説しています。

世間には知られていませんが、
認知症以上に老人性うつが多いことや、
老人性うつは、
加齢による肉体的、精神的変化、社会的変化に基づく、
誰にでも発症の可能性のある病気であることが分かります。

治療方法や自殺の問題など、論点は広がっていきますが、
それぞれ整理されているので、
どれも頭に残ります。
重要語句を太字にしてくれているのも親切。

高齢化社会がいよいよ本格化する現在、
老人性うつを理解することは、
多くの日本人にとって重要なことだと思います。
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