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43 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「オチ」に説得力,
By quilin (長崎県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809)) (文庫)
過酷な環境の惑星に発生した特異な知性生態系と人類のファーストコンタクトを描く表題作をはじめ、魅力的な中編4つを収載。他の三作はいづれも、極限的な環境における人間の反応・適応を通して、ヒトが社会を作るのか、社会がヒトを作るのかを問う。中編集という形式ではあるが、ある意味でオムニバスもしくは同じテーマの変奏曲集といった趣きである。舞台はそれぞれに、食べ物も水も限られ他人を信じられない闇の世界(「ギャルナフカの迷宮」)であったり、生存を脅かすものは何も無い代わりに刺激は一切無く全くの孤独(「漂った男」)、あるいは望むものが全て具現化される仮想空間(「幸せになる箱船」)と様々であり、その結末も三様である。私はどちらかと云うとややユーモアのセンスさえ感じさせる「漂った男」が一番おもしろかった。 80〜90年代の日本SF界の主流であった神林長平や栗本薫、大原まり子などの作家たちは、それこそ卓越したアイデアや世界を見せてくれたが、正直やや難解な作風が多く読破し消化するのに随分とエネルギーを要す傾向があった(高校時代ならばともかく、今となっては読み進める自信はない。とほほ)。読後に妙な「ザワザワ感」が遺り、時に不快だったりもした。それらと比べ小川一水は読み易い。アイデアが安易だったり、「センス・オブ・ワンダー」が先の作家に劣るというわけではない。あえて簡潔に述べるなら、「オチ」に説得力があるというところか。 今回私は初めて著者の作品に触れたが、もう1つ2つ手に取ってみたいと思う。
26 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ツボでした,
By きいろ (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809)) (文庫)
本作の中の一遍「漂った男」が自分のツボにハマりました。これは宇宙船の事故で海しかない惑星で漂流することになった男のお話 そこは何もしなくても生存は保障されているが、孤独で刺激もないまっ平らな世界。 そんな中で救援が来るかもしれないというほんのわずかな希望があるばかりに、男は生きようとします。しかし本当に一人になったとき、虚無に負けそうになります。 いったい生きていくには何が必要なのか、男は虚無とどう戦うのか、一応そのへんのことが書かれています。 無茶苦茶で大袈裟なレビューですが、たいてい一人で変化のない毎日を過ごしている自分には印象に残るお話でした。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本SF短編集の傑作、文句なし,
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レビュー対象商品: 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809)) (文庫)
作者の小説を初めて読みましたが、和製SFでありながら、久しぶりに洋物に負けないセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれる作品でした。この水準であれば、英語に翻訳すれば欧米でも相当な評価を得られると思います。翻訳者の力量にもよりますが。どの話も非常に完成度が高く、テッド・チャンやグレッグ・イーガンの短編集と比べてもひけを取らない内容だと感じました。特に迷宮の話と漂流の話は、小説を読んで久しぶりに深い感動を味わえました。 また、本書はSF的アイデアが優れているだけでなく、リーダビリティも抜群です。収録話数が少ないのが寂しいですが、SF好きな方でしたら必読です。
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