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老いのかたち (中公新書)
 
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老いのかたち (中公新書) [新書]

黒井 千次
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和一桁生まれの作家が、自らの日常を通して“現代の老いの姿”を探る。同級生の葬儀を同窓会になぞらえ、男女の老い方の違いに思いを馳せ、「オジイチャン」と呼ばれて動揺、平均余命の数字が気にかかり―。冷静な観察眼と深い内省から紡がれる、珠玉のエッセイ五六篇を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

黒井 千次
1932年(昭和7年)東京生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。69年『時間』で芸術選奨新人賞、84年『群棲』で第20回谷崎潤一郎賞、94年『カーテンコール』で第46回読売文学賞(小説部門)、2001年『羽根と翼』で第42回毎日芸術賞、2006年『一日 夢の柵』で第59回野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 235ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2010/04)
  • ISBN-10: 4121020537
  • ISBN-13: 978-4121020536
  • 発売日: 2010/04
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By vatmideo トップ500レビュアー
形式:新書
「小説家が新書?」と思いながら読み始め、「やっぱりエッセイじゃないか、文庫にしろよ」と思いながら読み進み、「老境とはこういうものなのだ」と新書でよいと納得した次第です。
実は認知症の進行中の父親から「盗んだものを出せ」と言われてから落ち込み、その種の本を読み直したりしていた中での本書との出会いです。著者のように謙虚な逡巡は父親には期待できませんが、少しずつ私自身がショックから立ち直りつつあるのも本書のおかげかもしれません。
50才以下の方にはお勧めできませんが、老いるということと、気持ちの持ち方のギャップを考察し教えてくれる本です。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書|Amazonが確認した購入
 先ず、50歳以下の所謂若い人たちに薦める本とは思わない。還暦間際の私には、成程と思う事、老いるとは滑稽であったり、心理的に肉体的にこれからこの種の経験をするのだと、事前に聞く意味があった。

 全体に、軽いタッチの本で、深刻な内容ではない。人生論などとは程遠いものである。あとがきにあるように、この著書は、読売新聞夕刊に月一回寄稿された随想の56回分をまとめたものである。個々の随想が独立しており、それぞれに完結している。愉快に読むのだが、後に残るものが少ないようにも思う。

 試しに、随想のいくつかのタイトルを掲げるが、それを見るだけで或る程度、内容が推測できる。「廃車宣告された気分」、「崩れゆく老いの形」、「初々しい初老男性の時代」、「友を送る−これも同窓会」、「扉にぶつかり、窘められて」、「衰えを受け入れる気品」、「歳を取れなくなった時代」、「一つ拾い、一つこぼす」、「よろめきと戯れる」、「時の過ち、場所の間違い」、「老いを受け入れる気力」、「ヒガミとアキラメ」、「年寄りゆえの忙しさ」。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By およよ VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
淡々としたエッセイであり,七十代を過ぎて感ずる日常を気負わずに綴ったものだ。散歩をしながら思いめぐらせた内容が多い。

しかし,筆者の頭の中に疑問符のように付いて離れないのは,「老人が老人らしくなくなった。老人らしい品位のある人が少なくなった」という印象である。日本人の平均寿命はどんどん伸びて九十歳の老人もさほど珍しくない。しかし,その寿命に見合った,昔感じたような老人の風格が感じられなくなったというのである。

確かに日本社会の高齢化が進み,老人に対して「長生きした珍しい人」という印象を持てなくなってきた。街中を歩いても四人に一人が高齢者では敬う気持ちも薄れてくる。一方で「いつまでも元気なお年寄り」という本来矛盾した老人像がマスコミでは強調され,老人に対しても健康ブームが巻き起こり,老いや衰えが「不幸」「悪いこと」として捉えられる現実がある。

まさに筆者の言うとおり「年を取れなくなった時代」である。いつまでも若くて元気であることにのみ価値があるとしてしまうのは不自然だろう。かといって老人だって弱り衰えるのは嫌である。

「自然に老いる」事が妙に難しくなり,「若い老人」が幅を利かせ,老いた老人は肩身が狭いと言った妙な世の中になりつつある。新しい「老いのかたち」を巡って国民的に議論をしてゆく必要があるだろうが,合意が形成されるのはまだ先になりそうである。
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