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翼 (テーマ競作小説「死様」)
 
 

翼 (テーマ競作小説「死様」) [単行本]

白石一文
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

田宮里江子は、職場近くのクリニックで長谷川岳志と再会した。医師である岳志は里江子の親友・聖子の夫で、夫婦には二人の子どもがいる。里江子は学生時代、聖子から恋人として五つ年上の岳志を紹介されたことがあった。その初対面の翌日、里江子は岳志から呼び出される。あまりにも唐突な話であった。「きみと僕とだったら別れる別れないの喧嘩には絶対にならない。一目見た瞬間にそう感じたんだ」と言われた。そして、結婚してほしい、聖子とは別れると。話しているうちに、悪ふざけでもなく至って真面目なことは分かったが、もちろん里江子は何ら応えることはできない。そのことは、聖子には黙っていた。結婚した二人の渡米、就職後の里江子の転勤などもあり、里江子と聖子は疎遠になっていた。十年ぶりにあった岳志の気持ちは、まったく変わっていなかった。それどころか、確信を深めたと言う。その後里江子は、岳志のアメリカでの現地女性とのこと、そして学生時代に起こした心中事件の一部始終を知ることになる。自分の直観を信じて生きたいと願う男。何に囚われているのか正直になれない女。二人の行く末は……。  常識と道徳の枠外にあるものが胸に迫り、深い考察を促す新たな代表作の誕生。

内容(「BOOK」データベースより)

親友の恋人である、ほとんど初対面の男から結婚を申し込まれた女。十年後、二人は再会する。彼は彼女の親友と子を成し家庭を持っているが、気持ちはまったく変わっていなかった。誰だって真実の人生を見つけられると言う。

登録情報

  • 単行本: 211ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/6/18)
  • ISBN-10: 4334927610
  • ISBN-13: 978-4334927615
  • 発売日: 2011/6/18
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 229,538位 (本のベストセラーを見る)
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自分が可愛い 2011/12/28
あちこちで絶賛されているので読んでみた。
自分には理解不能・・・。

以下、ネタバレをふくむ恐れがあるので、ご注意ください。

これが、岳志が医者ではなくど貧乏でどうしようもない男で、主人公にも家庭があるとかだったら、まだ惹きつけられたかもしれない。
『運命』といいながら、他の女と結婚し(それも主人公との繋がりを保つため)子どもも二人作り、10年も探しもしなくて、偶然の再会に突っ走り、10年も共にしてきた家族を捨てて『君が運命の人なんだ』って・・・。葛藤も何もなく『運命』を振りかざすと、逆に軽く見える。たぶん、書かれていない部分に葛藤はあったかもしれないが、主人公と会っている時の岳志はあまりに無邪気で、悪びれもせず、ちょっとイラっとする。
主人公も、もし、岳志が医者で美味しいレストランに連れていけないような人物でも、ここまで引っかかっただろうか?断ってるふりして、彼女いわく『親友』(女にしてみれば、隠れて自分の旦那と会うような人は親友とは言わない)の旦那と何度も会っただろうか?たぶん、この作品の趣旨なら、岳志がどんな人物像でも、主人公は惹かれたかもしれないけれど・・・。そうじゃないから、なんとなく『三十路すぎの恋愛から遠ざかっていた女が、医者に強烈にアプローチされたら・・・しかも、それが禁断の関係なら、そりゃ、ねぇ・・・』と思ってしまう。ちょうど仕事もうまく言ってなかった時期だし。

二人にはほぼ痛みがなく、相手の妻や子に彼らの運命とやらのとばっちりを押し付けるのは、なんか解せない。
『アンタが許すべきだった』って、それこそ何にもしてないアナタが言う事か??
この場合の『死』は痛みではなく、逃げに見える。
『運命』と信じるのなら、時間をも凌駕し、何としてでも生き抜いて成就させてほしかった。
死んだら『運命の人』とやらにも重荷と孤独を与えるとは思わなかったのか?
自分の選択が過ちだと感じ、その清算をして真実の道に進みたかったのかもしれない。でも、その清算方法が家庭・子供を持つ(他者との人生に責任を持つ)男の方法としては、あまりに・・・。
なんか、焦る必要があった(病魔が巣食っていて、カウントダウンが始まっていたとか)ならわかるけど、(この10年が後悔だらけだったから)だけとなると、オイオイその選択をしたのはあんたでしょ。『養育費は払う』『思い通りにならないから死んでやる』は、ちょっと・・・。
また、作中の子どもを男との絆を象徴するために扱う女性たちの考えも・・・。そう言う人はいるだろうけど、これは悲しい。

愛・・・と言うのは、こんなに利己的なものなのだろうか?
与える愛という存在も世にはあると思う。
人は必ず過ち(選択ミス)をおす。でも、その過ちごとその人の人生になっていくんじゃないだろうか。
運命(直感)通りではなくても、自分が選び、間違えたその時間まで大切に抱えて行く事は『真実の人生』にはならないのか?

主人公と岳志のみにスポットを当てれば、酔いしれることが出来るだろう。
あまりにも視野の狭い、欲望と愛が混乱してしまう小説だった。
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16 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
白石さんの作品はすべて読んでいます。
今回も久しぶりの作品で発売日に購入しました。テーマ「死様」にも興味がありました。
読み始めると、やはり止まらなくなりました。
「死様」がテーマではありますが、私にとっては生き様を突き付けられたような作品でした。
無意識のうちに常識なのか諦めなのか、何かに囚われて日々を過ごしていることにも
気づかされました。
白石さんの作品は死を考えさせられることが多々ありますが、
それ以上に本気で生きること、生き方を真正面から突き付けらることが私には多いです。
いつもそんな機会をもらっているような気がします。
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9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By chibic トップ500レビュアー
この著者と本を知ったのは、今月号のMISTYという雑誌でした。
『僕は念願だった小説家になって、賞までもらったけれど
50歳を過ぎて思うのは、そうしたものはほとんど大したことがなかったですね。』
で始まる白石さんの記事に、強烈に心を惹かれました。
じゃあ、大したものって、なんだろう。
記事によるとこの『翼』は、自分の心残りを書いたものだそうです。

主人公の『私』は言います。
「誰かの不幸を前提にした幸福なんて、この世界に存在できるはずがない」と。
彼は言います。
「僕たちの人生は誰かを不幸にしないためにあるわけじゃない。
愛する人を幸せにするためにあるのだし、そして、何よりも自分自身を幸福にするためにあるんだ」

天命とか、自分さがしとか、そういうものより、もっと深くて根源にある、生きる意味について考えさせてくれる本です。
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