翼を広げてを聴いたのは数週間前、街角の有線においてだった。一声で坂井泉水が歌っている事に気が付いたが、そのあまりの懐かしさのため、買い物の手を休め最後まで聴き入ってしまった。最近リリースなのに、この懐かしさというのも言わずもがな93年リリースDEENが原曲だった。DEEN版も相当の名曲であったが、ZARD版を聴いた時こちらも鳥肌ものだった。
坂井verの方が、シンセを使用しより幻想的な雰囲気を感じる。ちょうど揺れる重い、ohmyloveを立て続けにリリースしたあの淡いカラーのジャケットを彷彿とさせるような、柔らかなサウンド。丁度I still rememnberや二人の夏を想わせるような、儚さを感じるようなサウンドと歌声は、逝去したという感慨以外に、元来ZARDが獲得していた魅力だったのをこの時再度実感した。
もちろん僕の過ぎ去った15年の歳月も、上記の儚さと無縁とは言い切れないだろうけど、やはりZARDの曲と僕の人生があの頃あまりに密接にリンクしていたからこそ、この「儚さ」を殊更感じてしまうのかもしれない。
対する愛は暗闇の中では、ブレイク前のアルバムに収録されていた曲で、あの頃のZARDサウンドは随分ダークな色を残していたけど、今回リメイクで新たにスピードロックとして変貌遂げた。スピードロックこそがZARDのもう一つの魅力だったのは周知の通り。例えば「この愛に♪」のテンポ緩急然りだし、アルバムでもバラードと緩急付けた選曲があったりしたが、今回もA面B面と緩急を付けている演出がにくい。また、レビューを見ると特にカップリングのサウンドに関して違和感を覚える人がいるようだが、おそらくこれは世代ギャップだと思われる。翼を広げてのレビューを見てもそれが浮き彫りだ。「コナン」の文字が出ているのが主に20−10代の後期世代、「DEEN」の言葉が並ぶレビューがおそらく30代を中心として前期世代と思われる。ZARD初期から聴いてきた人は、むしろこの曲調こそがZARDの真骨頂だと気づくはずだ。この音作りは、紛れも無く91−93年辺りの雰囲気があり、その頃ヘビーにZARDと接していた人には、感動があると思う。
「ビーイング商法」については、取りあえず置いておいて今回は楽曲評価をしました。
他のレビューでも書いたけど、「偲ぶ会」のような採算度返し「無償の贈り物」こそが、ビーイング=金銭主義を晴らしファンの見方も変わるでしょうね。
それにしても、ZARDほどデジタルピアノを使用したクリアーバラードが似合う歌手もいないのではないだろうか?