神学生であった著者はナチス親衛隊に召集されますが、その後は衛生兵として従軍します。その行軍中に死にゆく仲間にホスチア(ご聖体)を…とか、収容所でミサを…とか言うのが多分に宗教的に感じられる方もあるかと思います。しかし、キリスト教会が所謂「土地の鎮守」であるところなのだとお考えになるとある程度スッキリ読めるかも知れません。実際、今も欧米の軍隊には従軍司祭・牧師がいて、信者である軍人の精神的助けになっています。ミサ・礼拝などの集まりなどもあります。
また、この本のドイツ語版は著者の晩年(ドイツ帰国前くらい)まで出版されていません。実在の登場人物に危害が加わることのないようにとの配慮だったそうです。やはりヒトラー暗殺計画への関わりについての言及あたりは確かに微妙でしょう。その当時の関係者の多くが故人となったことでドイツ語発刊があったようで、その折に若干手が加わったそうです。
さて、この新版の翻訳がこの8月上旬に「死の影 慰めの光」(鳥影社、ISBN:9784862651457)というタイトルで出版されます。これが著者がもともとつけた書名であるそうです。