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翻訳仏文法〈下〉 (ちくま学芸文庫)
 
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翻訳仏文法〈下〉 (ちくま学芸文庫) [文庫]

鷲見 洋一
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

翻訳とは、原文の深層に横たわるメッセージを探り当て、それに翻訳語の形を与えて原文の「姿」を再構成することである―では、多義的で抽象性が高く、文語と口語の差が著しいフランス語を、的確な日本語に翻訳し原文の「姿」を再現するコツは何か。どんなポイントを押さえ、どういう方法を駆使すればいいのか。翻訳作業の現場に即したテーマごとに豊富な訳例を掲げ、解釈の基本から日本語の表現方法まで多彩な技術を伝授する、実践的翻訳術。下巻では「視点移入」をキーワードに、大胆な発想の転換によって言葉の違いの深遠に翻訳という橋を架ける技、「こなれた訳」を超える極意を披露する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鷲見 洋一
1941年生まれ。慶応義塾大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 414ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2003/11)
  • ISBN-10: 4480087923
  • ISBN-13: 978-4480087928
  • 発売日: 2003/11
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 1.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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5つ星のうち 1.0 実績が足りないのでは…, 2011/9/3
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レビュー対象商品: 翻訳仏文法〈下〉 (ちくま学芸文庫) (文庫)
この本を読んで非常に奇妙に思ったことがある。『翻訳仏文法』と大上段に構えたタイトルの、これだけ厚い本を書いた人の翻訳書が、ほんの数冊しかないことだ(正確な数を調べたら、本書が世に出た1985年時点で、個人で訳したのはたった2冊、その後現在まで4冊で合計6冊、その他の共訳本が3冊ある。共訳本が多いので翻訳書が多く見える。本書を読んでいると、これを書いた先生の、フランス18世紀のディドロへの熱烈な傾倒ぶりがわかるのであるが(フランス語の文法書なのにそんなことが分かってしまうのは、著者が余計なことを書きすぎているからだ)、そんなに好きなディドロの翻訳書が、どうして一冊もないのだろうか。地味なディドロを訳しても売れないからだろうか。個人で訳した翻訳書が全部サガンなどの商業的に成功しそうな現代文学だけというのも気になるところだ。女子大生に受けそうな無難な本ばかりだ)。理論はともかくとして、この先生は明らかに実績が足りないのではないか。目立たない女を数人口説いただけで「自分ほどもてる男はいない」と自信過剰になり、上下2巻の「女の口説き方」を書いてしまったような印象を、どうしても受けてしまう。普通こういう本を書くのは、多数の翻訳書があるか、名訳と呼ばれる翻訳の実績のある人ではないか。リラダン全集の斎藤磯雄、プルースト『失われた時を求めて』の井上究一郎、ユゴー『レ・ミゼラブル』の豊島与志雄、ジュネ『泥棒日記』の朝吹三吉、サガンなら『悲しみよ、こんにちは』の朝吹登水子クラスの翻訳者が書いたなら、話はわかる(朝吹登水子はサガンだけで翻訳16冊、ボーヴォワールが8冊)。しかし、この著者にあるのは慶応大学教授という肩書だけで、一流の翻訳者と言われるような実績からは程遠いので、説得力がないのだ。
 それに「自分は一流の学者なので、できない者は最初から来るな。自分の役割はフランス語の専門家としてプロの翻訳者を啓蒙することだからだ」という傲慢さが感じられる本である。本物の一流の学者には余裕があり、初学者にも自然とやる気を起こさせるような、文学を心から面白いと思わせるような格調高い書き方になるものである(鈴木信太郎著『フランス詩法』などはその良い例である。現役の仏文学者では19世紀専門の鹿島茂がずば抜けている)。たとえ教科書であっても、理解できない部分があっても、文体からそれが伝わるものである。しかし本書は、妙に気負った独りよがりな書き方になってしまっていると思う。「翻訳というものはディドロと通じるものがある」などというわけのわからない珍説をはじめとして、上から下に一方的に得意になって書いている文体がむかついてくる。自分の少ない翻訳書からむりやり練習問題を作り、狭い研究現場(大学や学会)で思いついたことをすべて、あれもこれもと書いて思い切り引き延ばして作った本である。学者としての視野の狭さが、例題文の偏向という形で如実に現れている。これは大学の先生が、裕福な自分の大学の仏文科学生に教科書として買わせるために作った本の典型である。巻末の「ディドロ学会の報告」など、明らかに狭い学界において先輩学者を喜ばせるために書かれたもので、同行者の間だけでで喜んでいればよいレポートである。肝心の翻訳以外のところで様々な矛盾を感じさせる本であった。この本の「上から目線」が気になって、こんなに書いてしまったではありませんか…。
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