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翳りゆく楽園 外来種vs.在来種の攻防をたどる
 
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翳りゆく楽園 外来種vs.在来種の攻防をたどる [単行本]

アラン バーディック , 伊藤 和子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

地を這い、
飛び、
跳ね、
泳ぎ、
漂い、
走り、
のたうち、
地表から芽吹き、
開花する生き物たちの、
息をのむほど豊かなバラエティ。

――いま、この豊かさが失われつつある。

◆◆◆
交通手段の発達によって人類が地球上をくまなく行き来するようになったことで、いまや動植物も本来の繁殖地を遠く離れて世界中へ侵出している。
飛行機に乗ってグアム島へと上陸し、在来種の鳥たちを貪るミナミオオガシラヘビ。サンディエゴに生い茂る、オーストラリア原産のユーカリの木。日本から貨物船のバラスト水に紛れて運ばれ、サンフランシスコ湾に定着したシズクガイ。見慣れた姿で風景に溶けこみ、ずっと昔からそこにいたような顔をして、せっせと増殖しつづけている外来種たち…。

休暇でハワイを訪れた人たちは、自然を満喫した気分になるだろう。飲み物を片手に、パラソルの下に寝そべって満ち足りた思いになる。だが、彼らは気づいているだろうか。そこで目にする動植物のほぼすべてが、外来種であるということに。
アメリカ人にとって、ハワイは“地上の楽園”である。そう、たしかに見かけは美しい。だが問題は、その楽園はすでに内側から蝕まれているということだ。

◆◆◆
外来種の被害がメディアを騒がせることは日常茶飯事だが、人々は往々にして一つひとつの出来事に目を向けるだけで、全体として何が起きているか気づいていない。いまや自然は「画一の時代」とも言うべき新時代に突入しつつある。自然界の生物多様性を、自然自身がおびやかしているのだ。

著者は、こうした自然の実態を追ってめくるめく旅に出た。ハワイ諸島、タスマニア、グアム、サンフランシスコを訪れ、熱帯雨林や溶岩窟、アラスカ行きの石油タンカー、NASAの宇宙船組み立て施設にまで赴く。各地で最前線の生物学者のフィールドワークに同行し、生態学者や科学者たちの話に耳を傾けながら、幾度も自分に問いかける。

自然とは何か。
自然はどこで終わり、人間の世界はどこから始まるのか。
つまるところ、「生物多様性の喪失」は私たちにとって何が問題なのか。

本書の中で、ある生物学者は著者に対してこう語る。多様性の喪失は、人々の内面にかかわる問題だと。「あなたのふるさとがどんな場所か、誰かに語って聞かせることができなくなるのです。人は無意識のうちに、日々目にする風景になじみ、そこが自分の居場所だと感じている。その土地固有の風景が失われることは、とても大切な何かが失われることです。外来種の問題は、突きつめていけば、『私の故郷はどこか』ということだと思うのです」

◆◆◆
いま出現しているのは、新たな自然なのか、暴走しはじめた古い自然か。この急速に変化する世界で、何が自然と呼べるのだろう。
問題は、自然が失われることではない。人間が度を越しても、自然は警告してくれないことだ。<br

内容(「BOOK」データベースより)

生物多様性の現状を知る旅の果てに著者が目にしたものとは―。陸と海、双方で進む「画一化する自然」の姿を活写した紀行ノンフィクション。

登録情報

  • 単行本: 448ページ
  • 出版社: 武田ランダムハウスジャパン (2009/9/25)
  • ISBN-10: 4270005327
  • ISBN-13: 978-4270005323
  • 発売日: 2009/9/25
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
 ある程度生態学の素養がないと,ちょっと難しい内容かもしれませんが,島嶼における外来種の影響と船舶による沿岸生物相の攪乱を題材にして,ボクたちが見ている「自然」というものを考えさせてくれます.また,群集生態学が取り組んできた重要な課題が示されており,生態学を学ぶ(あるいは研究する)上での鳥瞰的な視点もあったりします.現代版の「侵略の生態学」として,エルトンの名著と共に読むと良いかも
.ただし,養老孟司氏の書く解説は完全なる蛇足で,本書のスケールの大きさに感動した読後感が台無しになるので,解説部分を切り取って捨ててから読むことをオススメします.そんなわけで,評価の☆は一つ切り捨てました(笑)
 また,本書の内容についての紹介文で「いま出現しているのは新たな自然か,暴走し始めた古い自然か」という文が,本文から抜粋されて使われています.これは前半の島嶼についての話の一部で出てきたものですが,おそらく本書の主題は後半パートにこそあるように思います.
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