ある程度生態学の素養がないと,ちょっと難しい内容かもしれませんが,島嶼における外来種の影響と船舶による沿岸生物相の攪乱を題材にして,ボクたちが見ている「自然」というものを考えさせてくれます.また,群集生態学が取り組んできた重要な課題が示されており,生態学を学ぶ(あるいは研究する)上での鳥瞰的な視点もあったりします.現代版の「侵略の生態学」として,エルトンの名著と共に読むと良いかも
.ただし,養老孟司氏の書く解説は完全なる蛇足で,本書のスケールの大きさに感動した読後感が台無しになるので,解説部分を切り取って捨ててから読むことをオススメします.そんなわけで,評価の☆は一つ切り捨てました(笑)
また,本書の内容についての紹介文で「いま出現しているのは新たな自然か,暴走し始めた古い自然か」という文が,本文から抜粋されて使われています.これは前半の島嶼についての話の一部で出てきたものですが,おそらく本書の主題は後半パートにこそあるように思います.