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筆者も述べているように、計算技能や漢字などの基礎技能の領域や、画一的な一斉授業;教師が教壇に立って黒板と教科書を使って説明し生徒がノートに筆記して試験に備えるという伝統的なスタイル、では有効である。ただし、これからのポスト産業社会(知識社会)において求められる能力を身につけるための21世紀型の学びにおいては、有効な手段にはなり得ないものである。
個人的な私見ではあるが、習熟度別指導というと「○○式」が頭に浮かぶ。○○式学習法は、読み書き計算に特化して段階的に組まれた学習内容を解くものであり、最初は今の実力より低いところからスタートする。本書では否定的な、分からなくなったら基本に戻る、という考え方そのものに見える。しかし○○式の目指すところは、学年を超えて進む=>自分の解らないところを自力で解けるように努力する力(この壁を越えることが○○式の真髄のようです)をつけることである。この本の中で問題とされている習熟度別指導とは異なるものであろう。
本書で提案されている21世紀型の学びとは、教育内容を「プロジェクト:課題」として捉え、「協同学習」により「背伸びとジャンプ」を実現するものである。そのような授業は力のある教師でないとなかなか難しいのではないかと思うが、世の先生方には、ぜひ実践して欲しいと思う。
著者の関わった「浜之郷小学校」などに見られるという、聴き合う関係のもとに静かに真剣に取り組まれる質の高い学びは、いろいろな子が教室にいてこそ。「習熟度別」は、そうした学びの機会を減らすものであり、「上位」「中位」「下位」のどのグループにとってもマイナスが大きいといいます。
私の学校でも、「少人数指導」と「習熟度別」が十分な理由付けのないままにセット化されつつあります。同僚にもこの本を紹介したいと思っています。
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