まずひと言。良く出来ています。
本編5話を読み終えた後、胸に去来する感覚は、
「竹取物語」や「夕鶴」の読了後と同じです。
物語の性質がほぼ同等なので。
ですからしんみりする物悲しさが苦手な人には辛い話でしょう。
でもその分、心に強く残る物語です。
また本編に加え、番外編も収録されています。
こちらは本編から数年後の話。
この一編のおかげで、読了後は気持ちが少し軽くなります。
単行本一冊で完結というところも良いですね。
簡潔に纏まっていて、しかし想像を働かせる余地も作れていて。
悲しい話であっても、心にすっと受け入れられます。
良く出来た昔話というのは、話が簡潔で短く、しかし心に何年も残ります。
この作品はそれらの条件を満たす、価値がある一冊だと思います。