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羽生―「最善手」を見つけ出す思考法 (知恵の森文庫)
 
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羽生―「最善手」を見つけ出す思考法 (知恵の森文庫) [文庫]

保坂 和志
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は「将棋の本」ではない。著者は、棋士・羽生善治のインタビュー、自戦記などを丁寧に読み解き、彼の思考の「核」に迫っていく。羽生の将棋観のキーワードである「最善手」を軸にして思考プロセスを辿り、将棋が分からない読者でも「人が考える」という行為の本質的な面白さに到る、芥川賞作家の画期的「羽生」論かつ「思考」論。

出版社からのコメント

本書は「将棋の本」ではない。著者は、棋士・羽生善治のインタ
ビュー、自戦記などを丁寧に読み解き、彼の思考の「核」に迫っていく。羽生の
将棋観のキーワードである「最善手」を軸にして思考プロセスを辿り、将棋が分
からない読者でも「人が考える」という行為の本質的な面白さに到る、芥川賞作
家の画期的「羽生」論かつ「思考」論。  解説・茂木健一郎

登録情報

  • 文庫: 213ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/06)
  • ISBN-10: 433478481X
  • ISBN-13: 978-4334784812
  • 発売日: 2007/06
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By picander トップ500レビュアー
形式:文庫
羽生の将棋観を読み解きながら、「思考」についての著者の思いが言語化されているとは思うが、果たして羽生の将棋を"言語化"しているのかと考えると疑問が残る。そういう意味では羽生の将棋の解説と考えて手に取るべきではない。著者はエッセイでも小説でも一貫して作品と作者の関係性について語っており、それは端的に言えば小説は作者を超え、小説自身が独自に運動している、ということだ。そこにおいて作者の意図などはあくまで小説のもつ運動に比べれば付属する存在でしかない、と。
その小説観、芸術観を、羽生の将棋観にも見出した著者が、羽生と自分との「共鳴」を言語化しようとしたのが本書だと思う。
羽生は著作も複数あり、マスコミへの登場も多いので実に多くのことを語っている。必ずしも著者が共鳴した将棋観だけでは捉えきれない、むしろ矛盾するような発言もあるが、本書は解説ではなく、あくまで著者による批評として受けとめる必要がある。
批評もまた、批評の対象を超えて独自の運動をするものなのだ。
棋譜の解説ではなく、棋士の評伝でもない、将棋を題にとった批評文として興味深い一冊。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゴルゴ十三 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
「最善手」を見つけるために羽生善治氏はどのように考えているのか?
その過程を(将棋のプロではない)小説家が迫っているところが面白いです。しかもそこから引き出した結論が、至極尤もらしいのです (→ 初版刊行時(1997年)に指摘している事実は素晴らしい)。つまり、言語化できている「形式知」だけでは「最善手の選択」は説明がつかない。(それならばデータや局面判断のルールを教え込んだコンピュータがとっくに人間を凌駕しているハズ) 「大局観」「駒が笑う」「手の流れが美しい」とかいった、どうしても言語化しにくい「暗黙知」の部分が指し手を決定に占める割合が大きいわけです。そんな言語化しにくい処を、"言語化のプロ"である小説家がうまく表現していると思います。小説の世界で例えるなら、正しい文法を教え込んだコンピュータが正しい文章を書けたとしても、"文章の流れの美しさ"を判断するには未だ至っていない、よって小説は人間の領域である、ということと似てなくもないです。(→ ポランニー「暗黙知の次元」でも似た議論がありましたね) ゲーデルの不完全性定理も想起したりして、愉快でした。
最後の章「コンピュータ観」のところは、1997年から10年経った今、Bonanzaの登場により「(読みの)量は質を凌駕するか?」という課題が再浮上して来た感もあり、文庫化の際に少し補足しても良かったもしれません。とはいえ、ここで語られている話は、今でも十分通用する話です。将棋に限らず、科学の研究活動でも当てはまることが多いですね。「科学者は頭が悪いと同時に頭が良くないといけない」(寺田寅彦)なわけです。羽生氏はその両方の側面をバランス良く備えています。そんな観点で羽生氏の書籍(※)を読み直すと面白いでしょう。
(※)「決断力」、「簡単に、単純に考える」、「先を読む頭脳」
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
単行本「羽生 21世紀の将棋」を文庫化したもの。文庫化に当たって題名が変わっているため、私はネット購入してしまった。皆様には気を付けて頂きたい。冒頭で著者が、「これは将棋の本ではない」と断っている様に、羽生を通して人間の思考法を考察した書である。ただし、羽生を題材にしている関係上、羽生が将棋界に起こした革命について「最善手」の考え方を中心に述べられている。具体的な局面例も多く出ているので親しみ易く、著者の思考法も分かり易く説明されている。

羽生が「最善手」に関して起こした革命を著者は次の2点に纏めている。

(1) 「最善手」とは棋士個人の産物でなく、一局の将棋の持つ法則である。
(2) 「最善」の基準は結果からではなく、そこにいたる指し手が決める。

つまり、初手から棋理に沿って指し続ければ「最善手」の連続となる筈であり、「最善手」を見つけるという事は、その対局の初手からの局面の流れや膨大な読みの蓄積に叶う棋理に即した手を選ぶ事である。そこには棋風や「盤面と人生とを重ねる」といった考え方が入り込む余地がない。羽生の将棋観をかなり的確に捉えていると思う。

最終章ではコンピュータ将棋にも触れている。羽生の自信に溢れる言葉に勇気付けられた。 私の目が黒いうちは「あから」が羽生に勝つことはないだろう。
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