信長は漢である
秀吉も漢である…そして若き樋口与六も一個の漢であった
だが同時に、この三人は悪党でもある
月に向かって慶次は語る――
「まこと……天下を取るほどの者で悪党でない者はおらぬものよ」
遂に信長の「侍も人足も同じ人」の意味が語られ、与六の智謀も炸裂します。
そして与六の己も知らぬ過去も明らかになっていきます。
与六に関わる信長は天下人にふさわしい理想を持つ好漢でありながら
目的を達するには手段を選ばぬ悪党。
秀吉もまた、一見助平な策謀家でありながら野心満々の魅力的な漢に描かれています。
そして涼やかにして熱く友の敵討ちに参加する与六も
相手を倒すには外道な策謀も厭わない。
一歩間違えば不快に思える男達を本当に魅力的に描いていく絵師と原作者には脱帽。
流石は「花の慶次」を描ききった原さんだと思うし
その漢どもをカッコよく情感溢れる絵で描いていく武村さんもスゴイです。
(なんとなく絵柄は荒○比呂彦氏に似ていますが)
与六の過去は完全フィクションなのですが、下手な小説やドラマよりも余程説得力がある。
有無を言わさない面白さのドラマがこの漫画にはある。
与六の生き様と過去は慶次と似て異なるもの。
月に向かって語る慶次の言葉を読み、何故慶次が自由人となったのかが判る気がする。