源義経、というよりその影武者を主人公とした大長編歴史小説の第二巻。前半は飛ぶ鳥を落とす勢いの義経の活躍を描く。しかし、後半は、その活躍や人望が頼朝に疎まれ、逃亡の旅へ...
この四巻に及ぶ大長編の第二巻は、「壇ノ浦」というサブタイトルからも分かるとおり、頼朝軍に加わった義経の破竹の勢いを前半部分で描く。壇ノ浦で平家を打ち破るほどの活躍を見せる義経だが、その活躍と彼が集める周囲からの人望が、頼朝の嫉妬、不信を招き、義経はいつの間にか追われる身に...
といったところは、義経を描く小説ではよくある展開。しかし、ここからがこの小説の真骨頂。義経を支える二人の影武者、特に蝦夷の出の沙棗は、だんだんとこの物語の主人公としての位置を鮮明にしていく。悲劇の様相が深くなっていく後半は読みごたえのある展開だ。
ネタバレにになってしまうから、あまり詳しくは書けないが、頼朝に疎まれた義経の置かれた状況の設定がとてもユニークで面白い。