小松左京賞受賞作家である平谷美樹氏のことは知っていて、いつか読んでみようとは思っていたんだけど、実は未読。SF作家とばっかり、思っていたら、なんと今回は義経を主人公とした歴史モノ。
もちろん、単純な歴史ものではない。全四巻の大長編のこの作品だけど、この第1巻のサブタイトルにも「三人の義経」とあるように、源義経が3人いたという設定で、この第1巻を読む限り、大きな歴史の流れは史実に沿ってはいるが、おそらく、今後は歴史改変的な展開になっていくのではないかと期待させる内容。
それにもまして、惹かれたのは平泉という東北に位置する都市。今回、たまたま読み始めた時に世界遺産に登録されるという報道もあり、興味深く読めた。特に、その都市を支配した奥州藤原氏が蝦夷の血が混じり、この世に平等な世界、浄土を打ちたてようとした言う話は、歴史小説の中でも蝦夷ものが好きな私にはピッタリの話だった。
この第1巻では、ストーリーはまだまだ序盤で、3人の義経の出会いと、今日から平泉に逃れた義経の雌伏の時が中心。このあとの展開が気になる。