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空手小説にもかかわらず派手なアクションシーンは殆んどありませんが、物語として純粋に面白いですよ。特に空手を多少なりとも嗜む人なら、さらに楽しめるはずです。
実際には本書のように型ばかりでなく、組手(本書でいう「変手」)の稽古もあってこそ、相手に影と戦っているように感じさせる「義珍の拳」が練られたはずですが、そうした若干の脚色も気にならないほど面白い本だと思います。
船越翁の高弟が生前、翁が自宅で密かに演じていた平安や鉄騎を「道場でやっている型とはまるで違う、太極拳のような動き」と評していたのを思い出しました。
あまり腰を落とさず狭い歩幅で流れるように型を演じながら、翁は「これが本当の空手なのだ」言いたかったのかも…と、空想にふけってしまうひと時がすごせた事に感謝。
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