人間が群れるとロクなことがないと思っていましたが、昆虫や動物の世界では群れ自体がひとつの生き物として外敵に対処したり、正しい判断を下したりすることがよく分かりました。
普通だとアリやミツバチはすごいなぁ、で終わってしまうのですが、これらの特性を人間の組織に活かして、意思決定や危機管理ができるのではないかということが本書のテーマです。彼ら(昆虫や鳥、動物)は自然淘汰の長い過程の中で備わったものを、後天的に学ぼうとするアプローチは、ある意味人間の長所を活かしたサバイバル戦略ともいえるのではないでしょうか。一方バッタの自滅的なパニックは集団のもろさを示しており、かえって人間に近いのではと恐ろしくもあり、親近感を覚えました。
本書の中の事例を見ると既に実用の段階に入っている手法もあるのですが、汎用モデルとして専門外の人間が自分の組織で運用するのはもう少し時間がかかりそうです。反面それだけ先端の考え方だともいえるのではないでしょうか。大きな組織に属しており、スケールメリットを活かしきれていないと感じている方に響く内容だったと思いました。