重い。痛い。
本書で扱われるテーマはシビア。けっして報われない絶望的な恋、同性愛、そして殺人。
私が好きなら夫を殺してという懇願を受けてそれを実行した女と、それを教唆した女の出口の見えない逃避行。生身の感情を剥き出す表情にがつんと胸を打たれる。好きな人を守りたいと願うのは誰もが抱く普遍的な感情だが、その見返りを求めてしまうのもまた人の哀しさ。
逃避行を続けるヒロインたちが出会う人々が背負った人生やドラマにも感情移入。特に印象に残ったのは誤って子供を死なせてしまった母親の話。
最後まで母親であった彼女の哀しくも強い決意に涙が零れました。
と本編はシリアスで読んでるとどっと疲れるんですが、第10話はホームドラマ風の心温まる話。
「よその男とつくった孫よりオレとかーちゃんでつくったお前のほうが可愛いからよ!」
この台詞に出会えただけでああ、得したなあと思えました。
総括するとあれです、尽くす女ってなんて愛しくて哀しい生き物……ってかんじです。二人の行く末が気になります。
それにしてもこれを22歳が描いたなんて凄いなあ……凄い才能だ。