巻末には船・各島内のバス・あればタクシー会社の連絡先など、島旅に必須の交通関係の時刻表が入っている。
各島(直島・豊島)で用意している案内も持って行ったが(HPからプリントして)この本があればだいたいOKかもしれない。
本命のアート以外にも、カフェ・食堂や宿泊施設、買い物が出来る商店、トイレなども掲載されていた。
また、おすすめモデルコースも提示されていて、土地勘のない者にも親切な設計になっていると思う。
こえび隊(芸術祭を契機に始まったボランティア)による、高松市内案内も良かった。
今度は島についてのコメントもお願いしたい…。
そして行ってみて理解したこともある…
たとえばアップダウンの激しい豊島の道を、真夏にレンタサイクルで(電動アシスト付きでしたが)廻るには、ちょっと覚悟していかないと、後悔を感じる瞬間もあるかもしれない。
しかしそれは良き思い出ともなりうる。
観光案内からトイレ、みやげ物やまで、観光客が快適に過ごせるよう隅々まで配慮され、「サービス業界」的サービスを受ける事に慣れきった者にとって、
こうした島を訪れる事は、いろいろと驚く事もあるかもしれない。
(関係者の方々の対応や準備は素晴らしいです。「サービスが足りない」という意味ではありません。各施設、掃除の行き届きっぷりに驚嘆しました。関係者のまっとうな姿勢を見る思いです)
そして旅とは本来こうした物であることを思い出す。
またこの瀬戸内アートの発起人・福武氏は、瀬戸内を「観光地化」しようと考えてはいないようであった。
(現地で求めた冊子「NAOSHIMA NOTE No.1」に掲載された、北川氏との対談で語られていた)
みやげもの屋が建ち並んだりしない、満杯になったゴミ箱が並ばない、島の住人の本来の生活がそれに極度に影響されない、今あるたたずまいを大きく変えずに、アートという付加価値を載せて存在していく島々…。
対談を読んでそんな理想型を思い浮かべたのだが。
この本にも、そんなイマジネーションを喚起する文章や絵が掲載されているが、もっと直裁にこの瀬戸内アートを作ったひとの構想を提示し、訪れるひとに伝えていくべきではないかと思った。
少なくとも私にとって、島を訪れた実体験にこの理想型が融合する事で、より素晴らしい旅であったとの認識に至った。
そしてまた、ちょっとした希望や夢を抱くようにも。
消費文化の一端を担う観光事業。
しかしその未来は。
均質化された快適な旅の追求ではなく、どこにも似ていない、その土地の力の発露を感じられる旅へと変わっていくのではないかと。
先日買った「八戸レビュウ」(同じく美術出版社刊…関係者じゃありません。一読者です…)という本でも、また「アートと地域」について感じる・考える機会を貰った。
瀬戸内アート体験された方は、併せて読んでみると良いかもです。