「美術の核心」というより「美術のうわべ」の本であるかも。「ポップアートは反ヨーロッパ」とあるが、ポップアートは実はイギリス発生であり、反ヨーロッパは抽象表現主義のことである。「印象派はリアリティーを求めた」とあるが、クールベなどの写実主義への言及もない。大人が作った縄文土器を子どもの粘土と比較するのも的外れ。ボッティチェリからルネサンスが始るように書かれているが、中世から決別する感情表現のあるジョットへの言及もない。バルビゾン地方に自然が残っているのは作家たちが環境保護運動をしたからである。美術史への造詣が深いとはとても思えない。「ゴチャマゼ」「すったもんだ」「ざまあみやがれ」「グチャグチャ」などの下品な言葉使いも問題かも。彼の「ウォーターホール」もアメリカの女性作家パット・ステアーの方が先に描いているのかもと、気になるところ。